一季出版株式会社

2022.10.01
2022/10/1 ゴルフ場活況続く、6月動態統計の売上高18・3%増

経済産業省は8月18日に「特定サービス産業動態統計」の令和4年6月分の集計確報を発表した。ゴルフ場はコロナ初期の大幅減から一転して令和2年夏から回復の一途を辿っており、利用者数の大幅増加で、売上高もついにコロナ前を上回るまで回復した。
6月のゴルフ場(経済産業局所在の8都道府県のゴルフ場)利用者数は5月に続き100万人の大台を超える104万3385人で前年同月比7・4%の増加、売上高は99億62百万円で前年同月比18・3%の大幅増加となり、利用者数、売上高とも4カ月連続の増加となった。
これで4~6月は利用者数7・8%増、売上高16・1%増で1~3月の利用者数1・6%増、売上高6・5%増と比べても回復度合いが強くなっている。1~3月は2月の降雪影響による利用者数9・8%減、売上高5・9%減があってのプラスで、利用者数は7四半期連続、売上高は6四半期連続で前年同期を上回った。

6月の動態統計調査では、利用料金収入が平日で17・7%増、土・日祝日で17・0%増。その他売上高では食堂・売店(直営)が30・4%増(前年同期は20・0%増)、キャディフィ11・7%増(21・5%増)となった。利用者数は平日で会員0・6%減(14・1%増)、非会員10・1%増(23・4%増)、土・日祝日は会員2・1%増(7・9%増)、非会員11・0%増(17・8%増)となり、非会員の利用増が売上面で貢献した。
6月の18ホール換算は、利用者数7・4%増、売上高18・3%増。客単価(1人当たり利用額)は9548円(前年同期8665円)となり、前年同月比は10・2%の増加となった。1日当たりの利用者数は7・4%増の133・6人の高稼働となっている。
コロナ期前の19(令和1)年6月と比較すると、今年6月は集計ホール数が5・8%増えたこともあって補正が必要だが、18ホール換算では利用者数が5・9%増、売上高は1・1%増となり、利用者数だけでなく売上高もコロナ期前を上回った。ただ会員の利用が13・8%増加したのに対し、非会員は2・9%の増加に過ぎず、 平日の利用者、特に会員中心の平日利用者が増えたことがわかる。活況を迎えている今のゴルフ場はコロナ期前とキャディフィが大きく減少、食堂・売店売り上げも全回復には至っていないが、会員のアクティブ化が寄与していることがわかる。確実に言えるのは、高齢ゴルファーのアクティブ化だ。

一方、6月のゴルフ練習場は、売上高が前年同月比2・9%減(18・1%増)、利用者数は土・日祝日で4・5%減(17・2%増)、トータルでは3・7%減(15・0%増)となった。1年半ほど続いた特需状態が薄れ、利用者数、売上高とも3カ月連続減と足踏みが続いている。
6月の対個人サービス業の売上高は、ボウリング場66・4%増、遊園地・テーマパークの165・0%増、フィットネスクラブ16・0%増と、コロナ禍で落ち込んでいた業種の回復も目覚ましいが、ゴルフ練習場の2・9%減、パチンコホール1・2%減と反動減や構造変化で、やはりコロナ前とは様相が異なっている。
ゴルフ場も利用者数は今世紀最高の水準だが、コロナ期前との構造変化には留意したいところだ。

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※「ゴルフ特信」第6834号より一部抜粋

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