一季出版株式会社

2022.09.11
2022/9/11 2021年度ゴルフ場売買価格、通常売買はコロナ前並み

2021年度(21年4月~2022年3月=4月1日含む)に、ゴルフ場の価格(経営株売買額、事業譲渡額、法的整理でのスポンサー拠出額、競売等価額、不動産鑑定価額、売却希望価額、簿価等含む)が判明・推定できた国内のゴルフ場の価格は16コースとなった。その1コース平均価格は3~6年前水準だったようだが、規格外の大型売買が成立し、ゴルフ場M&A市場としては近年にない規模となったことがわかった。

この期間に20コースほどの経営交代があったが、売買の成立で価格が推定・判明できた16コースの平均は8億650万円で、前年度(20コース)の12億6947万円と比較すると、率にして37%のダウンとなった。
ただし、アコーディア・ゴルフとネクスト・ゴルフ・マネジメントを傘下にしていたアジア系ファンドのMBKパートナーズグループが2社をソフトバンクグループ傘下の米ファンド・フォートレスインベストメントグループに推定4000億円で売却する国際的な大型売買が成立。昭和の森Gコース(東京)の周辺用地を含む売却が1300億円とされる規格外の売却額だったともいわれている。アコーディア・ネクストグループの169コースは1ゴルフ場当り約23億円と推定され、これに16コースの売買実績を加えた平均は203コースで20億4790万円となる。1コース換算では2019年3月にMBKパートナーズグループによるOGM39コースの買収が成立した2019年度の21億3021万円に近いということになる。

2021年度は㈱バンリューゴルフが3コースを取得した一方で、1コースをメガソーラー事業者に売却した。ノザワグループは2コースを取得。PGMやリソル、ユニマット、太平洋クラブは各1コースの取得だった。
売買価格がほぼ判明した16コースの中で地方部での売買額は主に2~5億円程度、都市部や有力地などは10億円前後中心に20億円を超える売買も成立した模様だ。
昭和の森Gコースの用地売買は、物流基地建設という規格外のケースなので参考にはならないが、都市部ではゴルフ練習場用地が高額で売買されるケースがあるようにゴルフ場用途外での高額売買が成立する余地があるようだ。
今年はポストコロナに向けて、西武ホールディングスグループがアセットライト化による収益転換を見込み、今年度中にホテルやゴルフ場等のファンドへの売却を予定している。東急不動産グループからリソルグループへの4コース売買が成立するなど上位グループ同士の売買が続くことも予想される。

21年度の韓国系の売買は2コースだったが、コロナ禍でもあり、すでに日本でゴルフ場を経営しているグループの取得となっている。
なお例年、ゴルフ場の売買事例一覧を掲載する「2022年ゴルフ場企業グループ&系列」(定価5500円=税込み)は8月下旬(24日以降)に一季出版㈱から発行する予定で現在予約受付中。

関連記事:2021/9/6 2020年度ゴルフ場売買価格、コロナ禍も前年度並み

※「ゴルフ特信」第6828号より一部抜粋

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