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2021.08.23
2021/8/23 奈良県の大規模広域防災拠点に、五條市のゴルフ場用地

奈良県が計画している大規模広域防災拠点の開発候補地に五條市内のプレディアゴルフ地区が挙げられており、6月30日と7月4日に実施した地元説明会とその説明会資料により、その計画の概要が明らかになった。
県では、南海トラフなど大規模災害に備えて大規模広域防災拠点が必要として、2017年頃からプレディアゴルフ地区他をあげていた。
説明会資料によると、課題は①黄金の72時間への対応②輸送能力の強化③集結場所の設定、面積確保④十分な物資の確保--でその解決には防災拠点が必要とし、求められる活動は情報収集、人命救助、医療活動、物資支援、移動支援として、奈良県及び紀伊半島の中心に位置する五條市(プレディアゴルフ場周辺地区)を選定したとある。

施設整備の考え方として、ゴルフ場を最大限有効活用した施設の配置を計画。Ⅰ期(5ha、造成は1~2年目)は平場を有する広域防災拠点、Ⅱ期(約46ha、3~10年目)は600メートル級滑走路を有する大規模広域防災拠点、Ⅲ期(約73ha、11~19年目)は2千メートル級滑走路を有する大規模広域防災拠点--を整備する。Ⅱ期以降は現在のゴルフ場用地がその候補地となり、コースレイアウトがわかる航空写真も掲載されている。
また予定されているトンネル工事等に使用する盛土材は県内公共工事土をダンプトラックにより運搬する計画だ。
この計画が進むとゴルフ場の営業継続が難しくなるが、当のゴルフ場では「ゴルフ場の営業はやめない。オーナーもゴルフ場を売りつもりがない」と話しており、県の交渉は難航しそうな情勢だ。

つまり、県ではゴルフ場の了解をとらずに数年前から計画や調査を進めてきたもの。用地内には深さ45Mほどの谷を挟んで西側(Ⅱ期)に5ホール、クラブハウス側(Ⅲ期候補地)に13ホールがあり、盛土材はリニアの残土を想定する等の議事録もあった。
県の大規模広域防災拠点整備課では「用地買収や交渉はこれから。プレディアゴルフが候補地となったのは南部の中心ということとアクセスの良さから。公共の目的のため、説明して協力を仰ぎたい。工事はすぐにでも始めたい」と話している。
同県は空港がなく、47都道府県で唯一自衛隊駐屯地もないなど防災面で頼りになる拠点が不足しているという。ゴルフ場としては協力するとしても、非協力であっても様々な憶測を産むだけに当惑しているようだ。

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「ゴルフ特信」第6684号より一部抜粋

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