一季出版株式会社

2020.11.29
2020/11/29 Withコロナ時代のレジャーとしてゴルフの新規顧客急増

ゴルフ場運営グループでは8月のゴルフ場入場者が大幅に増加し、若者のゴルフ場利用者が増えていることを報じたが、ゴルフ場予約代行等の㈱ゴルフダイジェスト・オンライン(GDO、東京都品川区、石坂信也社長)でも9月29日に〝Withコロナ時代のレジャーとしてゴルフの新規顧客が急増〟とのタイトルで「若年層(20~30代)の予約数が前年の約2倍に増加している」とのレポートをニュース配信した。
それによると、国内ゴルファー約440万人が利用する同社の今年8月データは前年同月を大きく上回るゴルフ場への送客実績が確認され、加えて、新規ゴルファーの顕著な増加トレンドも分かったという。

経産省の「第3次産業活動指数」を引き合いに出して、ゴルフが含まれる「生活娯楽関連サービス」は、新型コロナウイルスの影響を最も大きく受けた分野で、ゴルフは屋外の広大な空間でプレーするスポーツだが、同社のゴルフ場予約サービスを利用した「月別ゴルフ場送客件数」は、3~5月に感染拡大による緊急事態宣言などによる休業や自粛期間が重なり、大きく影響を受けていたと振り返る。
そして同社の6月以降のゴルフ場送客件数は、新しい生活様式の浸透と歩調を合わせるように、ゆるやかに上向いているようだという。送客データからは、法人需要などで利用されることの多い「ゴルフコンペ」の予約は3月から引き続き大変厳しい推移を続けており、直近8月の同社データでも前年比86・1%の状況と報告。一方で、全体のゴルフ場送客件数は前年比125%以上となり、同社の8月実績としては過去最高を記録したという。

これら法人需要の減少分を大きく上回る旺盛な個人需要が現れた背景として同社では、自宅などでのリモート勤務を採用する企業が増加したことで余暇時間が増えたこと、外出先として人混みが避けられるようになったことなど「新しい生活様式」の普及が大きかったと分析している。また接触感染を避けるための新しいルール(旗竿やバンカーレーキを触らないなど)や共用スペースでのマスク着用徹底の呼びかけなどを積極的に採用したゴルフ場が多かった事実もあるとしている。

さらにゴルフ場送客データを詳しく見ると、プレー単価が少し安くなったことも影響してか、全ての世代において1人当たりのプレー回数が増えている傾向にあるという。
世代ごとのデータでは、特に緊急事態宣言明け後のwithコロナ期で、若年層(20~30代)の予約数が前年の約2倍に増加した特徴を見出せるという。

経験の少ない人にもイメージできるほど、ゴルフがソーシャルディスタンスを保ちやすい条件のスポーツであることに加え、レストランでの昼食を省略した「スループレー」や、仲間とともに予約しない「1人予約」、2人1組でプレーする「2サム」など、新しいプレー様式を取り入れるゴルフ場が少しずつ増えているため、新たな余暇時間の選択として、感染予防対策が困難な他のレジャーやアクティビティから、ゴルフへと移行してきている可能性もあると分析している。

その他、Googleトレンドでは「ゴルフ 初心者」などのキーワード検索が、8月は前年に比べて6%増加していることや、同社のコンテンツである「初心者ゴルフナビ」などもコロナ前とwithコロナとの比較ではアプリやスマホ経由が顕著に増加し、「ゴルフというレジャーの台頭」が比較的若年層で起き始めていると推測する根拠になっているという。

関連記事:2020/11/21 家計調査で見る、コロナ禍でのゴルフへの消費

※「ゴルフ特信」第6565号より一部抜粋

過去のお知らせ一覧はこちら