一季出版株式会社

2020.04.12
2020/4/12 行政とのトラブル増える、岐阜では賃貸借で裁判

土地賃貸や指定管理者制度で運営をしているゴルフ場も少なくないが、ここにきて裁判やトラブルで紛糾しているケースが出てきた。
岐阜県では安八郡安八町が土地賃貸借契約の期間満了に伴い、安八カントリークラブ(9ホール、安八町大森59)を経営する長良川㈱に対して土地の明け渡しを求めた訴訟で、岐阜地裁が2月26日、その請求を棄却したことがわかった。中日新聞が報じたもので、地裁判決では賃料の一部を支払わないなどゴルフ場会社の対応を軽視できないとしながらも、土地の明け渡しを認めるのは従業員やゴルフ場会員だけでなく、町や地権者にも不利益を及ぼすなどとして、権力の濫用に当たると判断したという。

同町は地権者からゴルフ場用地を借り、1973年にゴルフ場会社と契約を結び土地を転貸した。賃貸借契約は2017年5月末で満了したが、ゴルフ場は現在も営業を続けている。また岐阜地裁は、町との間で土地の賃借権があると確認を求める長良川側の反訴請求も棄却したという。
同CCは長良川の河川敷にあり、新幹線の岐阜羽島駅から3分と交通の便が良い。手ごろな料金でも人気だ。

また、北海道夕張郡長沼町ではマオイゴルフリゾート(27ホール)の施設修繕をめぐって、町と指定管理者である恵庭開発(本社=札幌)が対立する事態となっている。同開発ではクラブハウスの屋根とコースの橋梁について来場者の安全を確保できないほど劣化が進行しているとして町に修繕を要求したが、町は指定管理者側に修繕義務があるとして応じなかったため、同開発は昨年末、町を相手取って修繕請求訴訟を札幌地裁岩見沢支部に提起した。町との契約は5年間であと2年残っているという。

同リゾートによると、例年4月中旬にオープンを予定しているが、町との協議が長引きそうとしており、安全対策を行って4月中旬に間に合わせるのは難しい情勢だとしている。
賃貸料は以前、景気が良い頃に結んだケースは更新時にトラブルになりがち。また豪雨や台風などで施設が損傷したり、河川敷のコースでは運営側が予定外の出費に撤退を表明するケースも出ているところだ。

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※「ゴルフ特信」第6482号より一部抜粋

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