2026.02.01
2026/2/1 星野リゾート、新予約システムでバブル崩壊にも対応
国内外で73の宿泊施設を運営する星野リゾート(長野県佐久郡軽井沢町)が10月22日に開いたオンラインプレス発表会で星野佳路代表が観光業界の概況報告を行い、日経平均株価が連日最高値を付けるなど「バブル」の懸念が出てきた中での同社の姿勢を明らかにした。まず同社は運営に特化し、開発段階ではファンドが参画したり、運営が順調に利益を生み出した後は星野リートといった長期投資家に買い取ってもらうことで長期的な戦略を歩めるとした。
インバウンド(訪日外国人)需要に関しては急速な回復により、日本国内の観光市場規模はインバウンドの8・1兆円と国内の25兆円を合わせ、34兆円規模に達すると説明。星野代表は2025年のインバウンド数を4200~4300万人と予測し、15年スパンでは成長のスピードが鈍化していて、島国であるイギリス並みの4000万人前後で頭打ちになる可能性があるとの見方を示した。
また「日本は過去に『ブーム』で終わる経験をしてきた」と指摘する星野代表は、今回のインバウンドをブームで終わらせず、持続可能なセグメントとして維持するため、国全体で舵を切る必要があると提言。ブームが終焉し実数が落ち始めるきっかけは「顧客満足度の低下」だと強調し、満足度低下から3~5年後に実数が落ち始める「プロダクト・ライフサイクル理論」から、現在の懸念材料として「スキー場が混んでいる」、「空港も混んでいる」等のネガティブな情報が5年前と比べて出始めたと説明した。
そして「次の高みを目指す前に、インバウンドの満足度をしっかり確保できる状態にすることが、持続可能な形にするために必要」と述べ、顧客満足度の維持を最優先課題と位置付けた。予約キャンセル料を100%から30%回収にとどめ、顧客満足度の低下を防ぐ考え。また顧客満足度低下を招かない策として新予約システム「フレボル(FleVol: Flexible Booking Online)」の開発を18億円かけて進めているとした。従来の予約システムでは1泊2食の固定的な料金体系で全てを一括予約する必要があったが、フレボルは仮予約からチェックアウトまでのシステムを統一し、顧客がアクティビティ、食事、人数、スケジュールを自由に変更できる柔軟性を実現する。
一方、星野リゾート広報から2026年に開業する施設や各施設のトピックスを発表。旧横浜市庁舎の景観を継承した「OMO7横浜 by 星野リゾート」(4月21日開業)、温泉旅館ブランド「界」では6月7日に専用トンネルで「温泉街の賑わい」と「静謐な温泉宿」をつなぐ「界 草津」を開業、26年夏に開業する【界 宮島】には全室瀬戸内海ビューのご当地部屋を「海霧の間」と命名、秋には天空のルーフトップテラスから蔵王の絶景を望む温泉旅館「界 蔵王」を開業。リゾートホテルブランド「リゾナーレ」の8番目となる「リゾナーレ下関」は12月11日開業で、エネルギー消費量を53%削減するなど環境配慮型の施設となる。重要文化財「旧奈良監獄」の保存活用事業として、4月27日奈良市に「奈良監獄ミュージアム」を開館する。
同社は、インバウンド市場の持続的成長に向けて顧客満足度の維持を最優先課題とし、大規模なシステム投資と施設拡充の両面から戦略を推進するとしている。
