2025.10.23
2025/10/23 第15回国際芝草研究会議に27カ国、421名が参加
第15回国際芝草研究会議(ITRC2025:外木秀明実行委員長)が7月12~16日に長野県北佐久郡軽井沢町の軽井沢プリンスホテルウエストにて開かれた。同会議は4年間隔(前回はコロナ禍により2022年にデンマークで開催)で開かれており、日本での開催は1989年以来36年振りとなった。今回の研究会議の参加者は27カ国から421名に及び、国内からは150名が参加した。
初日(12日)は、開会式と国際芝草学会前会長・USGAグリーンセクション研究ディレクターからのお知らせ後に基調講演が行われた。①日本の芝草文化の歴史紹介、②日本における校庭芝生化の普及史、③遺伝子解析による芝の遺伝的特性に関する説明があった。基調講演の後には、歓迎レセプションが開かれ、各参加者が食事しながら交流を深めた。なお、同日夕方から開催予定であったドローン撮影は悪天候により中止となっている。
2日目(13日)は、研究者や各協賛企業による実務者セミナーで、機械・機器・機材(芝草管理におけるロボットおよび自立型芝刈り機等)、SDGs(パッティンググリーンの有機物の測定と管理、R&Aによる説明)、農薬(芝地における病害虫雑草等のリアルタイム検出と精密管理の基礎、芝生管理の未来、グリーンキーパーのニーズに応える革新的なソリューションの開発、芝草においての精密病害管理等)の各カテゴリーに分けられ、各15分間で計21名の講演が行われた。
3日目(14日)は、芝生科学全般、ゴルフコースまたは運動場の管理と維持について各登壇者より15分間の口頭発表が行われた。午後からは『芝刈りの未来』に関するシンポジウムを開催し、別会場では約30名の大学院生によるスピーチコンテストが開かれた。
4日目(15日)は、現地見学会を実施。埼玉県5コース(埼玉スタジアム2002、熊谷ラグビー場、日高CC、JRA東京競馬場、大宮盆栽美術館などから3カ所を訪問)、長野県3コース(浅間高原CC、サニアパーク菅平、長野Uスタジアムを順番に見学)、観光コース(長野県観光地巡り)の計9コースの中から選択して行なう形だった。
5日目(16日)は、午前中に外木氏が議長で、マイカ・ウッズ氏等が発表者となり、ゾイシアシンポジウムが開かれた。『日本芝草利用の歴史と現最先端の研究事例紹介』、『デジタル3Dを用いた芝草の形態学的分析とその育種への応用』、『芝育種の遺伝学』、『米国におけるグリーン芝品種の開発と利用』や、グリーンキーパーによる『日本のコウライグリーンの管理紹介』に関する講演があり、午後の部では総会、大学院生スピーチコンテスト表彰式後に晩餐会が行われた。
なお、次回のITRC2029はカナダで開催される。
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