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2025.07.28
2025/7/28 訪日外客数、第1四半期で早くも1千万人突破

日本政府観光局(JNTO)は4月16日に、今年3月の訪日外客数を発表し、また同月として過去最高を記録した。
3月の訪日外客数は前年同月比で13・5%増(前年同月は69・5%増)の349万7600人(308万1781人)となった。国・地域別では韓国が4・3%増の69万1700人でトップ、以下、中国が46・2%増の66万1700人、台湾が7・9%増の52万2900人、米国が18・2%増の34万2800人で5位から4位に浮上、代わって5位になった香港は9・9%減の20万8400人となった。
その他、アジアではインドネシアが61・8%増の6万600人、マレーシアが26・6%増の5万3100人、中東地域は102・9%増の2万4100人、ロシアが77・7%増の1万8800人、カナダが17・9%増の6万8100人が目立った。

発表によると春の桜シーズンに入り多くの市場で訪日需要の高まったこと、東南アジアの一部の市場や中東地域ではイスラム教の断食明け休暇に合わせて海外旅行需要が増加したこと等により、東アジアは中国、東南アジアではインドネシア、欧米豪では米国を中心に訪日外客数が増加したことが今月の押し上げ要因としている。
市場別では米国やカナダなど6市場で単月過去最高を更新したほか、韓国や台湾、タイなど11市場で3月として過去最高を記録した。また3月までの累計ではすべての重点市場で過去最高を記録している。
1~3月の訪日外客数は前年同期比23・1%増の1053万7300人と過去最速で1000万人を突破した。年間で3687万人だった24年を優に上回りそうだ。一方、出国日本人数は3月が142万3400人で前年同月比16・7%増となり、増勢を保った。1~3月累計は15・8%増の351万6800人となり、大きく改善している。トランプ関税の影響で急速に円高傾向が強まっていることから、訪日、出国とも影響が出ることも考えられる。

また、観光庁のインバウンド消費動向調査によると、25年1~3月期の訪日外国人旅行消費額(速報)は2兆2720億円となり前年同期比28・4%増と推計された。国籍・地域別では、中国が5443億円(構成比24・0%)と最も大きく、次いで台湾3168億円(同13・9%)、韓国2824億円(同12・4%)、米国2188億円(同9・6%)、香港1534億円(同6・8%)の順。1人当たり旅行消費支出推計額は22万2千円とし、国籍・地域別にみると、オーストラリア(36万7千円)、英国(32万1千円)の順で高かった。
観光庁が各空港でアンケート調査した「インバウンド消費動向調査」の25年1~3月分は7161人(前年同期8311人)から回答があり、回答した訪日客のうち52人(前年同期56人)が「ゴルフ場・スポーツ施設利用料」で消費したと回答。国別で回答が多いのは韓国10人(15人)、米国10人(16人)が抜けて多く、その他6人(1人)、フランス4人、タイ3人などとなった。

実施比率(選択率)は0・6%(0・6%)と前年同期と同じ。支出単価は1万5217円(1万4086円)と若干高まった。訪日客数が急増しているなかで、「ゴルフ場・スポーツ施設利用料」の実施率が高まっている印象はなく、高額消費がかつて目立った中国からの実施率が極端に減少して消費額も伸び悩んでいる。ただ23、24年集計のアンケートと比べると、これまで主流だった韓国など東アジアからのゴルフ実施率が伸び悩む一方で、訪日客数が増えている米国の実施率が高まるなどインバウンドゴルファーの総数も増えていることが推測される。ちなみに3687万人の訪日客の0・7%が「ゴルフ場・スポーツ施設利用料」で消費したとして約26万人となる。すべてゴルフ場ではないだろうが1人平均2回プレーしたとして50万ラウンド相当の影響がありそうだ。ただ、出国日本人数が回復してきており、円高が進むと国内ゴルファーの海外渡航が増える可能性も高くなりそうだ。

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「ゴルフ特信」第7216号より一部抜粋

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