2025.06.06
2025/6/6 ゴルフ場経営の収益悪化はコスト増による利益圧迫
有価証券報告書を提出したゴルフ場企業の決算内容を報告する。
本決算では、営業損益は大幅なマイナスとなったが、経常収益と最終損益で持ち直した企業も多く、最終損益の赤字比率は20・0%(前期12・9%)で、80・0%(87・1%)が黒字となり、前々期の赤字率15・9%よりも悪化したが、赤字率半数以上が当たり前のようだった10年以上前ほどには悪化していない。
そこで、決算に何が起きていたのかを有価証券報告書のレポートにより、AIを使用して分析すると、各社とも来場者数と売上の連動性は薄く、コスト増による利益圧迫が共通。料金改定やイベント、会員増で売上を維持・向上させるも、物価高騰や天候不順が影響し、業績は個別差が大きいとの結論となった。能登半島や宮崎などの地震や大雨の影響で収益が悪化したところもあり、これは経産省のサービス産業動態統計には反映されない地域的要素や企業間の格差だった。一部の企業で損失を出しただけで全体に影響するような、黒字でもギリギリの決算内容になってきており、ゴルフ場経営は厳しさを増していると報告する企業も多かった。
なお、23~24年決算期企業の半期業績報告は、通期よりも営業収益の結果が直結していて、利用者数1・5%減(1・1%減)、売上高2・2%増(3・5%増)、経常損益は91・5%減(24・9%減)、半期損益39・7%減(2・0%減)、半期損益の増加28社(22社)、減少40社(46社)で赤字は33社(19社)と厳しくなっている。
第Ⅱグループで集計した半期(半期末は24年9月ないし10月)は、24年1月から4月に終えた本決算の次の決算期であり、24年夏の酷暑時期を含んだことから利用者数で3・2%減、売上高0・3%増で収益改善に時間がかかりそうな内容となっている。