一季出版株式会社

2025.06.01
2025/6/1 ゴルフ場企業決算、23~24年期は80%黒字も大幅減益に

有価証券報告書を提出したゴルフ場企業の本決算で、2023年11月期から24年9月決算期までの70社を集計した。その結果、通期ベースの売上高は507億61百万円(前期497億83百万円)で前年同期比では3・6%の増加(4・6%増、前々期14・5%増)、利用者数は2・1%の減少(1・5%増、10・2%増)とV字回復だった21~22年期と比べると大きく増加率は縮小し、利用者数もマイナスとなったが、比較的堅調な売上内容となった。

期末毎にグループに分けて利用者数と売上高の増減率を見ていくと、2023年11月と12月期で決算した27社(第Ⅰグループ)は利用者数が0・2%増(3・9%増)、売上高3・7%増(5・9%増)と堅調だが、営業損益は2億68百万円の損失となり、前期の19億38百万円の損失より損失額は減少した。経常損益では14・9%減(14・1%減)もプラスを維持、最終損益は合計が7・6%減(23・3%減)と減益が続き、赤字は7社(5社)で赤字率は25・9%(18・5%)と拡大した。
2024年1月~4月に決算期を迎えた37社(第Ⅱグループ)では利用者数が4・4%減(0・9%増)、売上高4・7%増(4・6%増)で利用者数がマイナスとなった。売上高は増加が22社(23社)、減少が13社(4社)と増加が目立った。営業損益合計は1億19百万円の営業損失となり、9億84百万円の利益だった前期と比べ収益が大幅に悪化、ただし営業面の赤字比率は前期同様21・6%であった。

2024年9月に決算期を迎えた6社(第Ⅲグループ)は利用者数が0・1%増(2・6%減)、売上高は1・1%減(1・0%減)とほぼ横ばいだった。
これら3つのグループを合わせた70社の利用者数は2・1%減(1・5%増)、売上高は3・6%増(4・6%増)で、利用者数はマイナスとなったが売上高は続伸となった。
営業損益は損失額が140・1%増(83・8%減)で増加28社(31社)に対し、減少41社(39社)と依然マイナスが多かったが、経常損益は減少しつつも合計ではプラスを維持した。最終損益の純損益は前期(22~23年期)比で48・9%減(7・8%減)と大幅に減益となり、増加28社(23社)に対して減少が41社(47社)と結果は分かれた。

収入面ではプレー料金の値上げがあり、入場料等収入が1%程度増加した他、コロナ明けの様相で食堂(売店)収入が12・3%も増加した。ただし一部値上げの影響があったが会費は2・7%増に留まり、名義書換料は件数の減少もあって8・2%減少した。営業収益はそれほど悪くは見えなかったが、人件費や食材、設備投資を含めた経費増加で収益が悪化した。経費面では平均給料が1・8%増、コース維持費2・2%増(3・9%増)と、水道光熱費は2・7%減(26・9%増)と前期ほどは増えていないが、直近の電気代高騰には注意したいところだ。

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「ゴルフ特信」第7194号より一部抜粋

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