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2025.05.21
2025/5/21 24年家計調査、若者の用具消費が活発も他は反動減

総務省統計局がまとめた2024年「家計調査」(家計収支編)によると、ゴルフ関係消費は好調だった23年の反動減の様相となった。12月家計調査での二人以上の世帯の消費支出は前年同月比で実質2・7%増加(5カ月振り増加、名目7・0%増加=12カ月連続増加)であり、勤労者世帯の実収入(二人以上の世帯)は前年同月比で実質2・9%増加(3カ月連続増加、名目7・2%増加=12カ月連続増加)とかなり回復したが、前年同時期にかなり力強かったゴルフへの消費は反動減となった。

24年家計調査でのゴルフ関係消費を二人以上世帯のデータでみると、ゴルフプレー料金の購入頻度は100世帯当たり139回(前年171回)で前年と比べ18・7%減、1世帯当たり支出平均は9564円(1万1377円)で前年より15・9%減となり支出平均は4年振りの減少となったが、過去10年ではコロナ前の19年9340円を上回り高水準はキープした。一方ゴルフ用具の購入頻度では100世帯当たり12回(16回)で前年より25・0%減少し、1世帯当たりの支出平均は1268円(1467円)で前年比13・6%の減少(15・6%増)となった。用具支出は21年に43・9%もの大幅増加した後、22年は22・4%減少、23年は28・2%増と1年ごとに増減している。

24年を世帯主年齢別でみると、ゴルフプレー料金の頻度は60代が242回(315回)で世代間トップが続いたが、前年比では23・2%減少した。次いで70歳以上187回(224回)、50代99回(111回)、次に29歳以下68回(85回)で、増加したのは頻度が最も少なかった30代34回(35回)だけだった。プレー消費面では60代が1万7037円(2万779円)でトップ、70歳以上は1万1875円(1万3593円)、次に50代7136円(9229円)、29歳以下5574円(7671円)となり、増減率では最も消費額が少ない30代が2・9%減、29歳以下が27・3%減と、全ての年代でマイナスとなった。
24年12月はゴルフプレー料金の頻度は70代が19回で最も多く29歳以下2回、30代1回と少なく、40代は5回で66・7%増と唯一プラスとなった。支出金額は60代が1431円で最も多いが前年同月比は15・0%減、29歳以下や70代以上も支出金額は大きく減少した。

一方、ゴルフ用具への支出は12月が11・2%増(16・3%減)で5カ月振りの増加となったが、年間トータルでは13・6%減(前年は15・6%増)で2年振りの減少だった。年代別では29歳以下が12月に支出額3・1%減だったが頻度は50・0%増加し、年間では頻度40・0%増、支出額1933円で年代別トップに浮上、30代も12月に支出額が95・6%増で年間でも頻度28・6%増、支出額62・5%増の1656円で年代別で4番目となり、若者のゴルフ消費が再び盛り上がっており、プレー消費への波及が期待される。
24年は家計全体の実収入が増加傾向となり消費額も増えたが、コロナ禍を契機に消費が盛り上がったゴルフへの消費は後退した印象だ。ただコロナ初期に三密を避けられる活動として活発となった若者が再び市場を刺激したことで好循環が続くのか注目される。

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「ゴルフ特信」第7189号より一部抜粋

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