2025.09.21
2025/9/21 ゴルファーの熱疲労関連症状、健康要因が最も強く関連
一般社団法人・関東ゴルフ連盟(吉田裕明理事長、東京都中央区)のゴルフ振興委員会医学部会は6月6日、日本のアマチュアゴルファーの熱疲労関連症状の有無には健康要因が最も強く関連することを明らかにしたと発表した。この研究成果は、体温関連科学分野で国際的に権威のある論文誌「Temperature」に6月3日に掲載されたとしている。
近年、夏場の高温・湿度条件下でのゴルフラウンドが熱中症リスクを増加させる可能性があると指摘されている。これまでの研究では、さまざまなスポーツ選手を対象に、自己記入式アンケートを用いて熱疲労(EHE)関連症状の経験(熱中症の初期症状)に関する研究が行われ、要因が明らかにされてきた。しかし、ゴルファーにおけるEHE関連症状とその要因については、明らかにされておらず、本研究では、関東のアマチュアゴルファーを対象に、EHE関連症状の経験とその要因を明らかにするため、ケースコントロール研究を実施したという。
2024年9~11月、446名を対象にウェブベースによるアンケート調査を実施。基本属性、生活習慣、健康要因、環境要因、食習慣およびEHE関連症状に関するデータを収集。説明変数は生活習慣、健康要因、環境要因および食習慣、目的変数はEHE関連症状として、多変量ロジスティック回帰分析を行った。本結果より、EHE関連症状には複数のリスク要因が関連している可能性が示された。その中でも、健康要因が最も強い関連性を示し、以下の順で関連性が高い結果となったという(喉の渇き、睡眠不足、食欲不振、蓄積した疲労および精神的ストレス)。
さらに、生活習慣(平均ゴルフのラウンド数)と、EHE関連症状との間にも正の関連性が示された。本結果は、ゴルファーはラウンド前に健康状態を評価し、特に高温時にはスケジュールを調整することで、熱中症のリスクを最小限に抑えられる可能性があることを示唆していると説明している。
同連盟の医学部会は「高温時における具体的な行動指針(ガイドライン)」を策定し、加盟クラブに公開するとともに昨年、埼玉と群馬のゴルフ場で講習会も実施している。