一季出版株式会社

2024.06.02
2024/6/2 23年判明のゴルフ場経営交代は23コースと少ない

2023年に経営交代が判明した国内ゴルフ場は、計23コースとなった。
22年は、22年1月31日にアコーディア・ネクストゴルフグループ(当時169コース)がソフトバンクグループ傘下の米ファンド・フォートレス・インベストメント・グループとなったことで、193コース(注・交代判明時のデータも含む)を数えていたことから、23年は170コース減少したことになる。21年23コース、20年27コースと比較すると23年は21年と同数で、これは過去5年、21世紀に入ってから最少タイとなっている。
23年の経営交代コースは売却側が東急不動産4コース、西武ホールディングス3コース、㈱タニグチ3コース、バンリュウゴルフ2コースなど多くのゴルフ場を保有するグループが目立つ。東急不動産は23年2月に関西CC(兵庫)と三木よかわCC(同)、3月に有田東急GC(新名称=有田リソルGC、兵庫)、望月東急GC(望月リソルGC、長野)の計4コースを売却。西武ホールディングスは、シンガポール政府系投資ファンドのGICに売却する方針の31施設(うちゴルフ場10コース)のうち22年内に6コースを売却し、運営受託しており、23年は3コースを売却し、運営受託している。ちなみに嬬恋高原G場(群馬)は売却を中止した。バンリュウゴルフは新山口CC(新名称=毛利庭園GC、山口)、姫路相生CC(兵庫)の2コースを売却した。

取得側は前出通り、リソルが東急不動産から4コース、クラレから入間CC(埼玉)の計5コースを取得、次に西武から3コース取得のシンガポール政府系投資ファンドのGIC、韓国系のサイカングループ3コースが複数。外資系がらみは7コースあり、うち韓国系は4コースを占めた。その他、ザ セイントナイン 東京(千葉)は名称変更し23年4月に再開場していたが、会社名・代表者も変更していたため今回参考までに一覧表に入れた。
23コースの運営別では会員制が17コース。所在別では、兵庫県と佐賀県が各3コース、滋賀・和歌山県各2コースなどとなった。
ゴルフ場保有数上位では23年にアコーディア、PGMが各1コース(アコーディアは24年取得予定1コースを発表済)、西武、東急不動産のゴルフ場が動いたことから、保有数のランキングにも変動が生じた。23年12月末現在、グループゴルフ場保有数ランキング(コース数基準)はアコーディア171コース、PGM147コース、3位は市川ゴルフ興業グループ30コースで、21コース(他24年2月に2コース売却)の東急グループが4位、西武が20コースで5位、リソルが10位相当の16コースとなっている。
23年は比較的経営交代が少なかったが、その要因としては法的整理の減少や明確な経営交代を表明しないケース、メガソーラーや物流倉庫などへの用地売却や転用で売却が表面化していない影響もみられる。今後はインバウンド需要などで韓国系などの外資が日本のゴルフ場取得に動いてきており、それら動向も注目される。

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「ゴルフ特信」第7043号より一部抜粋

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