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2023.12.28
2023/12/28 神奈川県の箱根カントリー倶楽部と生田緑地ゴルフ場にトライアル認証

一般社団法人・いきもの共生事業推進協議会は、運営する「いきもの共生事業所(通称:ABINC=エイビンク)認証制度R」に「ゴルフ場版」を新設するとともに、生物多様性保全に取り組むゴルフ場の2施設に対してトライアル認証を発行したことを明らかにした。

発表によると、2021年のG7サミットでは、2030年までに生物多様性の損失を止め、回復軌道に乗せる「ネイチャーポジティブ」や、生物多様性の観点から2030年までに陸と海の30%以上を保全する「30by30目標」に取り組むことに合意。これを受けて、国内でもOECM(Other Effective area-based Conservation Measures)に関する様々な取組が開始されており、同協議会の理念でもある「自然と共生する世界」を実現するための企業活動への期待が高まっているとしている。一方、国内の既存ゴルフ場の多くは、開発時の改変はあるものの、樹林、草地、水面など多様な自然要素があり、その後時間を経て、現在では地域の生物多様性の保全に貢献する重要な緑地となっている。生物多様性に配慮したゴルフ場は、利用者や地域住民との連携協力により、持続可能な緑地の維持管理と、それにより経済を生む仕組みの1モデルともなり得る。こうしたゴルフ場を、生物多様性の観点から評価し認証を与えることは、既存ゴルフ場が有している生物多様性保全の効果を維持し、さらに向上させるよう誘導することで、わが国のネイチャーポジティブの達成に貢献することが期待されるとし、こうした背景を踏まえ、ABINCでは、2022年より先進的な取組をされているゴルフ場事業者の皆様にトライアルとして認証にご参加いただき、「生きものの里山をめざすゴルフ場ガイドライン」(公益社団法人・ゴルフ緑化促進会=GGG)を参考にしながら、検討委員会において新制度の開発を協議してきたという。
そして今年7月の検討委員会で「いきもの共生事業所R」の「ゴルフ場版」新設並びに認証取得基準に達している施設に「トライアル認証」を発行することが承認された。

今後も、工場等を評価する「工場版」、都市再開発やショッピングセンター向けの「都市・SC(ショッピングセンター)版」、集合住宅向けの「集合住宅版」、物流施設や戸建住宅団地を評価する「戸建住宅団地版および物流施設版」、街区レベルの大規模施設を評価する「ABINC ADVANCE(アドバンス)版」と、幅広い施設用途に合わせた第三者認証制度を実施していくとしている。
今回、トライアル認証が発行された施設は、認証番号順に箱根カントリー倶楽部(㈱箱根カントリー倶楽部、神奈川県足柄下郡箱根町)、川崎国際生田緑地ゴルフ場(東急リゾーツ&ステイ・石勝エクステリア共同事業体、神奈川県川崎市)となっている。

「ゴルフ特信」第6985号より一部抜粋

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