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2023.04.10
2023/4/10 ゴルフ、アウトドアの成長が市場全体の成長に寄与

㈱矢野経済研究所(水越孝代表取締役社長)は7日、ゴルフウェアを含む「スポーツアパレル市場に関する調査」を実施、市場規模や流通の動向、将来展望を明らかにした。
同調査は昨年9~12月、スポーツ関連企業(メーカー・卸売業・小売業)を対象に、スポーツメーカーへのアンケート調査、並びに同社専門研究員による直接面談(オンライン含む)の併用で実施している。

それによると、2022年のスポーツアパレルの国内市場規模は、メーカー出荷金額ベースで前年比6・7%増の5841億80百万円になる見込みという。2022年3月のまん延防止等重点措置終了後、国民に行動制限を要請する政府の措置は出されていない。それ以降、競技系スポーツでは学校部活動をはじめとした多くの層でコロナ禍前に近い形で活動ができたほか、試合数や大会数も前年から増え、コロナ禍からの回復がみられる。また、自宅から外出する機会が増えて、アウドドアの有力ブランドは街中で着るカジュアルファッションとしても人気が高い。アウトドアウェアは普段着として購入する消費者が増加し、市場は拡大を続けている。
スポーツアパレルのカテゴリーのうち、ゴルフウェアの2022年市場規模見込みは出荷金額1100億円(構成比18・8%)で、アウトドアウェア1500億円(25・7%)、トレーニングウェア1257億円(21・5%)に次いで3番目、前年の伸び率ではスイムウェア(出荷金額101億60百万円で前年比22・3%増)に次ぎ2番目の高さとなっている。特に、もともと規模の大きいゴルフウェア、アウトドアウェアの成長がマーケット全体の成長に大きく寄与する見込みという。

ゴルフはコロナ禍をきっかけに「3密」にあたらない屋外型のアクティビティとして認知され、若年層を中心とした新規ゴルファーや休眠復活ゴルファーが増加。これまでのゴルフウェアのカテゴリーの枠や常識にとらわれないブランド、アイテムが提案されており、商品面の魅力向上も相まって「ゴルフウェア市場はコロナ禍前と比較しても成長を遂げる見込み」(矢野経済研究所)としている。

また、スポーツアパレル市場の将来展望だが、2023年の国内市場規模を、メーカー出荷金額ベースで前年比4・9%増の6125億80百万円と予測している。ライフスタイルウェアやアウトドアウェアといった日常用としての需要が大きいカテゴリーほど成長率が高くなる見通し。その一方で、競技系カテゴリーのウェアについては、若年層の需要に依存するカテゴリーでは少子化の影響も大きいため、市場規模は伸び悩む可能性があるとまとめている。ゴルフウェアの23年は、22年比4・5%増の1150億円と予測している。

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「ゴルフ特信」第6902号より一部抜粋

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