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2022.09.09
2022/9/9 昭和31年開場の白浜ゴルフ倶楽部(和歌山)民事再生法を申請

和歌山県で最も歴史のある昭和31年8月開場の白浜ゴルフ倶楽部(18ホール、和歌山県西牟婁郡)を経営する白浜開発㈱(田中進代表取締役、本社同、資本金1億2610万円、1955年10月設立)が7月25日に和歌山地裁へ民事再生法の適用を申請し同日、保全命令および監督命令を受けた。申請代理人は片岡牧弁護士(堂島法律事務所、大阪市中央区)ほか1名。監督委員には中川利彦弁護士(パークアベニュー法律事務所、和歌山市)が選任されている。
同倶楽部は、関西の有名観光地の白浜に川奈のようなゴルフ場を造ろうと地元の財界や県も関わり建設、同県最古のゴルフ場であった。当時トップアマチュアだった佐藤儀一氏がコースを設計し、その後助手だった松山桂司氏が改造設計したコースで、〝美しい無理のないエンジョイコース〟をテーマに箱庭的な造形美があり、太平洋を見下ろしながら、爽快で開放感あるプレーが楽しめるとコース案内で紹介されている。

帝国データバンクによると、92年9月期には年収入高約8億5000万円を計上していたが、その後は長引く景気の低迷とゴルフ人口の減少で低迷、東日本大震災のあった2011年同期は台風被害もあり来場者数は約2万1000人にとどまり、年収入高は約2億700万円まで落ち込んだという。ニュースではコロナ禍でも人気の出ているゴルフ場が民事再生かと驚きを持って報じられているが、代理人の中井康之弁護士によれば、「会員の高齢化による入場者減で、ここ10年、強いて言えば20年間、運営はトントンでキャッシュフローも生まないから改修工事等も出来なかった」と説明しており、近隣のゴルフ場がメガソーラー化で閉鎖したことも危機感が募り、スポンサー支援の下、民事再生で再建を図ることになったという。
負債は債権者約490名に対し約9億5700万円。正会員数は530名で株主会員と預託金がある。また準会員が480名ほど在籍しているという。
スポンサー先はコーナングループの㈱わたらせ温泉(疋田耕造代表取締役、大阪府堺市)。和歌山県田辺市で、1万坪の広大な敷地にリゾートホテルとしてホテルささゆり、ホテルやまゆり、ホテルひめゆりと西日本最大の大露天風呂を運営しているという。ホームセンター大手のコーナン商事㈱(大阪市、本店=堺市、東証プライム)は関連会社。

このコーナングループオーナーが和歌山県出身で、ラ・グレースGC(18ホール、和歌山県日高郡印南町)やロイヤル高松GC(同、香川県)もグループで経営しており、代理人によれば「ゴルフ場に熱意がある」ことから相応しいと判断したという。白浜GCは南紀白浜空港からタクシーで約5分で東京等からの観光客も見込めることから施設の改修等で再建が期待されるとしている。クラブハウスのレストランからは白浜のメインビーチ白良浜が一望できるという。

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※「ゴルフ特信」第6827号より一部抜粋

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