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2022.05.15
2022/5/15 ゴルファーの2025年問題、75歳の壁がデータに出現

スポーツ庁の令和3年度「スポーツの実施状況等に関する世論調査」におけるゴルフコース実施率は6・2%で前年より0・4ポイント低下し、女性以外はほぼ全世代を前年を下回ったが、同庁は回答した全2万人のローデータも公開したことから、これまで語られてきた2025年問題などが信憑性のあるデータとして確かめられた。
まず18~79歳の調査対象2万人のうち、この1年間にゴルフ(コースでのラウンド)を実施したのは6・2%にあたる1233人で、男性は10・5%の1038人、女性は1・9%の195人であった。10歳刻みの実施率は発表された通りだが、ローデータから1歳刻みで集計すると、全体の件数で73歳が58件でトップとなり、70~74歳の団塊の世代を含む層でグラフにあるように大きな山の形を形成した。しかし75歳になると20件と半減以下となり79歳まで減り続けることになる。特に男性が75歳の断崖を形成しており、女性は最多が71歳の12件で73歳で10件、79歳でも5件と男性ほどではないが、他の世代と同等に少なくなっている。

これまで2015年問題に始まり、2025年問題までゴルファーの高齢化問題は先送りできたが、今回はコロナ禍もあって後期高齢者がゴルフを控えた影響もあり、グラフが示す通り、少しオーバーな断崖を形成することになったようだ。このまま団塊の世代が75歳という後期高齢者入り、コロナ禍、車の運転などで年齢的なゴルフリタイヤを決断したのか、木になるところだ。
一方で1歳刻みで特徴的なのは46、47歳を除くと70歳、60歳、30歳など切りの良い年齢で跳ね上がること。70歳以上の次ぎは60代なのだが、20代後半から50代までは10~30件の間で大きな差はなくなっている。

また「ゴルフ(練習場・シミュレーションゴルフ)」の実施率は5・6%(男性9・2%、女性2・0%)だったが、練習場利用者でコースを利用しなかった人は1・3%、人数にして120万人いた計算で、コースと練習場を合わせた昨年度のゴルフ実施(人口)は実質的に7・4%、700万人と推計できることがわかった。
さらにコース参加希望者は4・0%、379万人ほどいて、コース利用者と参加希望者を合わせると10%を超えて、1000万人近くなる。加えて、ゴルフに興味をもってテレビ・インターネットにより「ゴルフ」観戦した人は21・7%いたことから、現実的ではないが興味を持った人が2倍近くいることは間違いない。
コース参加者と参加希望者を合わせてグラフにすると、20代後半から山脈が形成されていて、例え団塊の世代で山が多少低くなっていっても、コース参加希望者をコースデビューできれば人口減をカバーできる可能性を感じられる。実は練習場利用者でコース利用者はもっと低いかと想像していたが、8割以上はコースデビューしている計算で、練習場からのコース参加者像は女性や若い世代を除いて余り期待できないのかもしれない。逆に見れば、マイナスのデータがあっても今はゴルフ場が活況を呈していることから、すでに団塊の世代頼みの時代が変わりつつあるのかもしれない。

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※「ゴルフ特信」第6786号より一部抜粋

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