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2020.10.06
2020/10/6 上半期動態統計、ゴルフ場は売上高28・5%減に

経済産業省は先ごろ、「特定サービス産業動態統計」の令和2年6月分の集計速報を発表し、これで今年上半期の状況が明らかになった。
それによると、6月のゴルフ場(経済産業局所在の8都道府県のゴルフ場)利用者数は74万8919人で前年同月の93万1376人と比べて19・6%の減少、売上高は61億40百万円で前年同月の93億14百万円と比べて34・1%の大幅減少となり、利用者数、売上高とも4カ月続けての減少となった。
利用者数、売上高は新型コロナウイルス拡大の影響により、3月に10・1%減、16・9%減、全国に緊急事態宣言が発令された4月は37・7%減、49・1%減、5月も30・8%減、46・0%減と推移、30%以上の連続減は2000年1月以降、初めてだったが、6月も30%を超えて減少。上半期は利用者数18・1%減、売上高28・5%となった。

この3カ月でのマイナスポイント合計は利用者数マイナス88・1P、売上高が129・2Pとなり、1年間では到底挽回できないマイナスとなっている。先月の集計でも報じたように東日本大震災があった2011年3~5月が-26・7P、-43・3P、西日本豪雨と台風等が影響した2018年7~9月で-45・6P、-39・5Pで、これらのような大きなダメージが3カ月も続いたことになる。
6月の動態統計調査を詳しくみると内訳は、利用料金収入が平日で29・0%減、土・日祝日で36・6%の大幅減となった。その他売上高では食堂・売店(直営)が41・7%減(5月は63・9%減)、キャディフィ32・3%減(44・9%減)とやや4~5月よりは元の運営スタイルに戻りつつあるようだ。利用者数は平日で会員4・2%増(9・5%減)、非会員21・1%減(39・5%減)、土・日祝日は会員5・0%減(9・0%減)、非会員35・5%減(38・9%減)となり、やはり会員の減少率は比較的低く〝非常時に頼りになる〟会員の行動が続いている。

6月の18ホール換算は、前年同月と営業ホール数が同じで、利用者数19・6%減、売上高34・1%減。客単価(1人当たり利用額)は8198円となり、前年同月比は18・0%減であったが、3カ月振りに8千円以上を取り戻した。1日当たりの利用者数は18・0%減ではあるが、5月の98・3人を上回る100・8人となり、4月の78・0人から比べれば大幅に回復した。
また、6月のゴルフ練習場は、売上高が前年同月比8・0%減、利用者数は土・日祝日で23・1%の減少も、平日が好調でトータルでは3・1%減まで回復してきた。売上高・利用者数とも4カ月連続の減少となった。

6月の対個人サービス業売上等の趣味・娯楽関連は、閉鎖施設が多かった遊園地・テーマパークが94・3%減(5月98・8%減)だったほか、ボウリング場49・4%減(87・7%減)、パチンコホール31・3%減(77・5%減)となっており、ゴルフ場34・1%減(46・0%減)はやや回復基調といったところだが、8・0%減(25・5%減)まで回復したゴルフ練習場は趣味・娯楽では際立った存在となっている。
ゴルフ場は、県境をまたぐ移動が解除されたことにより平常時に近い営業状況のコースも出てきているが、新型コロナの感染者数は7月以降、増え続けており、コロナがある程度収束するまでは厳しい営業環境が続きそうだ。

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※「ゴルフ特信」第6546号より一部抜粋

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