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2020.04.21
2020/4/21 コースでのゴルフ参加、7・1%で665万人相当か

スポーツ庁は2月27日に令和元年度「スポーツの実施状況等に関する世論調査」の調査結果を発表した。
同世論調査は、民間委託により令和元年11月22日から12月13日にかけて18~79歳の男女を対象にインターネット調査(人口動態に合わせた比率で回答数2万件)で行った。
発表によると、週1日以上運動・スポーツする成人の割合は53・6%(30年度55・1%)。男性40代、50代、女性60代では、前年度を上回っている一方、20代を中心に各年代で低下しているという。性別では60代を除き女性より男性の方が高い。週3日以上のスポーツ実施率は27・0%(前年度27・8%)。「この1年間に運動・スポーツはしなかった」かつ「現在運動・スポーツはしておらず今後もするつもりがない」と答えた「無関心層」が15・2%(前年度14・8%)あるとしている。また実施状況の変化の要因としては、運動・スポーツを行った理由としては「健康のため」が73・9%と最も多く、「体力増進・維持のため」(53・9%)、「運動不足を感じるから」(51・5%)などが続いた(複数回答)。実施頻度が減ったあるいは増やせない理由としては「仕事や家事が忙しいから」が43・7%と最も多く、「面倒くさいから」などが続いている(複数回答)という。

「この1年間に実施した種目について」の調査では、1位が「ウォーキング」で全体62・4%(男性62・7%、女性62・1%)となり、30年の62・1%(男性62・0%、女性62・1%)と比べ男性のアップでさらに上昇した。
2位は29年に種目が新設された「階段昇降」で全体16・3%(男性17・8%、女性14・8%)で以下、3位「トレーニング」、4位「体操」、5位「ランニング(ジョギング)・マラソン・駅伝」、6位「自転車(BMX含む)・サイクリング」、7位「エアロビクス・ヨガ・バレエ・ピラティス」に次いで8位に「ゴルフ(コースでのラウンド)」が全体7・1%(男性12・5%、女性1・8%)で入った。

ゴルフ(コース)は30年に全体7・4%(男性12・7%、女性2・1%)で同じ8位であったが、元年は男性で0・2P、率にして1・6%ダウン、女性は0・3P、率にして14・3%の大きなダウンであった。ただし29年は全体5・9%(男性9・6%、女性2・2%)で、元年の方がまだ高い。
9位は「ゴルフ(練習場・シミュレーションゴルフ)」で全体は6・2%(男性10・6%、女性2・0%)、前年より男性が0・1Pアップも女性が0・1Pダウンし、全体は0・1Pダウンしたが、ランクは維持した。

以下、10位「ボウリング」、11位「水泳」、12位「登山」、13位「釣り」、14位「テニス等」、15位「卓球(ラージボール含む)」、16位「バドミントン」は前年と同じで、17位「キャッチボール」(18位)、18位「スキー」(17位)、、19位「ダンス」、20位「ハイキング・ワンダーフォーゲル・オリエンテーリング」(19位)と一部でランクが変更となった。
前年より実施率が高まったのは1位「ウォーキング」と2位「階段昇降」、7位「エアロビクス・ヨガ・バレエ・ピラティス」、14~18位の計8種目で、上昇率はともにわずかだった。ランクは同じながら「水泳」と「登山」は実施率が2桁の減少率であった。

ゴルフ(コース)と、ゴルフ(練習場・シミュレーションゴルフ)は他と比べると堅調だ。
ゴルフ(コース)の実施率からゴルフ人口を推定すると、日本の20~79歳人口推計9367万人の7・1%99で665万人となる。スポーツ庁が28年度から始めた世論調査によるゴルフ(コース)実施率と推定人口は、28年6・4%で615万人、29年5・9%で538万人、30年は7・4%で695万人だったことから、前年に比べ30万人、4・3%ほど減少したことになる。
かねてゴルフ業界では2015年問題として、ゴルフ人口減少を懸念し、「レジャー白書2017」でゴルフ(コース)人口が550万人と大幅減少したことから、いよいよゴルフ人口減少時代が本格化したかと悲嘆の声が上がったが統計のブレとも言え、その後は戻している。

今回の世論調査の性別・年代別の詳細は3月末に発表されるが、Q14の「初めて実施または久しぶりに再開した運動・スポーツ」では「ウォーキング」が53・7%(前年46・6%)で、9位(10位)に3・7%(2・8%)で「ゴルフ(コースでのラウンド)」が入った。「ウォーキング」は男性60代、女性50代及び男女70代で6割を超えているとしており、これら世代はゴルフの初めて・再開比率も高いようだ。ちなみに同質問で「ゴルフ(コースでのラウンド)」を選んだ年代別上位は男性で50代9・8%(6・1%)、70代7・0%(5・4%)、60代6・4%(6・8%)、30代6・0%(3・3%)、40代5・6%(5・1%)、20代2・9%(3・1%)、18~19歳0・8%(1・6%)、女性は70代で2・1%(1・1%)、50代1・7%(0・9%)、60代1・1%(0・9%)、30代1・1%(0・6%)、40代0・7%(1・2%)、20代0・5%(0・8%)、10代1・0%(0・0%)であった。

70代が伸びた要因はゴルフ場利用税の非課税化で団塊の世代の比率が増えたためとみられるが、男性50代が伸びた理由はゴルフをテレビ等で見る機会が増えたためと思われる。次号で紹介する、見るスポーツで伸びた種目は、大方の予想通りだ。

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※「ゴルフ特信」第6485号より一部抜粋

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