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2019.05.23
2019/5/23 ゴルフコース参加率、若年層でも若干の増加示す

スポーツ庁は、平成30年度「スポーツの実施状況等に関する世論調査」(本紙6343号既報)の調査結果全文をこのほど公開した。これにより、性・年代別や居住地域、職業・年収別等の詳細が判明した。
平成31年1月11日から1月29日にかけて18~79歳の男女を対象に行ったインターネット調査(人口動態に合わせた比率で2万件)で既報通り、週1日以上運動・スポーツする成人の割合は55・1%(29年度51・5%)。男性、女性の20~70代すべての年代において前年度より増加し、また全体の中で70代男女の実施率が最も高く70%を超えるなど高齢者が運動・スポーツの実施率を高めている。

「この1年間に実施した種目について」の調査で、「ゴルフ(コースでのラウンド)」は全体7・4%(男性12・7%、女性2・1%)で8位に入り、29年の5・9%(男性9・6%、女性2・2%)から男性が3・1P増で2桁割合に復帰するなど増加した。
今回の発表で、「ゴルフ(コースでのラウンド)」の参加率が高いのがやはり70代で11・3%と2桁に復帰、他の年代が2桁の参加率がない中で、特に男性70代は20・8%の参加率があり、間違いなく70代としては過去最高となっている。スポーツ庁の世論調査が始まった平成28年度から70代は3年連続で参加率トップとなっている。

29年度の前回と比較すると60代が2・9P増の9・3%と伸び率が最も高く、20~70代まで18~19歳の10代を除く世代で参加率が増加した。参加希望率は20代が5・8%と最も高く、ゴルフ業界が行っている振興策や就職事情の好転などが追い風になっていると思われる。
これら男性の参加率増で国内のゴルフ人口は700万人ほどと推定される。もっとも、ゴルフ団体の振興策のテーマの一つである女性ゴルファー創造であるが、その女性の参加率は2・1%(前回比0・1P減)と前回と比べて伸びなかった。年代別で見ると参加率が高い順に70代3・1%(前回と同)、60代2・5%(0・5P増)、50代2・1%(1・0P減)、40代2・0%(0・2P増)、30代1・5%(前回と同)、20代1・2%(0・7P減)と、50代と20代で減少している。これら世代は参加希望率が高い世代でもあり、参加率を高められる効果も高いと思われる。

また「ゴルフ」に絞った集計では、都市規模や職業、最終学歴、世帯収入別で見ると、大都市部や北関東、首都圏、近畿二府一県で参加率が高く、職業はリタイヤ組の「無職」が11・1%と高く、最終学歴は大学卒10・6%が目立ち、世帯年収は500万円を超えてくるとゴルフ参加率が平均を上回っている。
「始めてみたい運動やスポーツ」で質問した参加希望率では、「ゴルフ(コースでのラウンド)」は4・0%(種目別では17番目)で前回より1・0P増えるなどほぼ全世代で高まった。初めて実施又は久々(5年以上ぶり)に再開した参加率での「ゴルフ(コースでのラウンド)」は1・4%で前回比0・2P高まった。この初・再開での参加率は40~70代まで1・7%で並んでおり、前回比では60代が0・7P増だった。女性は全体の参加率同様、50代と20代で前回の参加率を下回った。

その他、「この1年間に観戦したスポーツ」は直接現地ではプロ野球が13・7%で最も高く、ゴルフは5位の2・0%。TV・インターネットでの観戦は高校野球が47・3%で最も高く、ゴルフは19・1%(前回は14・2%)で12番目だった。TV等でゴルフ観戦はゴルフ参加率同様、男性70代が46・8%あるなどかなり高く、女性全体でも12・1%と1割を超えている。

ゴルフをテレビ・インターネットで観戦できる機会が増えれば、ゴルフへの関心も高まるものとみられ、団塊の世代のリタイヤで転換期ではあるものの、今年から来年のゴルフイベントに若手の興味が高まるか期待したいところだ。
ちなみに、運動・スポーツにかける1年間の費用は平均で4万5368円、1年間あたりのスポーツ観戦にかける費用は平均7703円で、ともに最も多い回答は「0円」であったという。また「職場の取組があった場合の運動・スポーツ実施意向」も年代性別で集計しており、30代以下など若い世代ほどその意向が高くなっている。

スポーツ庁は、社員の健康増進のためにスポーツの実施に向けた積極的な取組を行っている企業を「スポーツエールカンパニー」として認定も行っている。職場でのゴルフ参加が増えれば若い人の参加率が高まる可能性がある。

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※「ゴルフ特信」第6370号より一部抜粋

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