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2019.12.02
2019/12/2 東日本ゴルフ場支配人会、台風被害状況が話題に

東日本ゴルフ場支配人会連合会は10月30日に都内ホテルで令和1年度第2回ゴルフ活性化委員会を開いた。
今秋は9月9日に千葉市付近に上陸し強風等で千葉県に大停電をもたらした台風15号に始まり、過去最強クラスといわれ静岡県から関東・東北まで広範囲に記録的豪雨で各地の河川が氾濫し、河川敷ゴルフ場も軒並み冠水した台風19号、そして台風21号の余波で10月25日に千葉県や福島県でまたも記録的豪雨をもたらすなど立て続けに台風被害にあっており、同委員会でも各地の被害状況や今年累計の入場者状況を報告し、確認した。

千葉県や東京都等の委員は、直接ないし地域が被害にあい復旧作業にも追われることから欠席であったが、19号で河川氾濫等で死者も出た福島や宮城では倒木や土砂崩れの被害や度重なる風雨被害でキャンセルが出て、10月は1クラブあたり500~1000名の入場者減となったという。東北では豪雨により電柵が壊れクマやイノシシが侵入したとの報告もあったという。関東では19号で神奈川県が記録的豪雨になり、川崎市で300ミリの降雨を記録した他、1日雨量の記録を塗り替えた箱根(922ミリを観測)ではまだクローズしているゴルフ場がある。栃木県では西と南地区に被害が多く、協議会に加盟している102クラブ中、16クラブで一部ホールを閉鎖するなど変則営業を余儀なくされている。埼玉、群馬、栃木の河川敷ゴルフ場は冠水クローズが長引いているコースがあることが報告された。入場者状況としては北海道や東北などは春先の営業開始が早かったこともあり、9月までは前年比プラスであったが10月は雨予報だけでもキャンセルが出るなど大幅マイナスの見込みで、この10月だけで9月までのプラスを消す可能性もあるという。関東での具体的入場者報告は少なかったが、ゴルフ場の多い千葉県が9月から大きな影響を受け、河川敷でも21号の雨で再び冠水するなど影響は大きいようだ。

こうしたなか、被災した住民が多い地域ではお風呂を住民に開放したゴルフ場が多く、福島では「協力できるゴルフ場のほとんど」、宮城県では3コース、栃木県では2コースが無料開放したという。委員が欠席した県でもグループゴルフ場がお風呂を提供したことが報告された。

またゴルフ活性化委員会の半田隆一委員長は、支配人会が被災した地域を支援する活動として①お風呂の提供、②復旧業者の紹介ができると紹介。ここで事務局から東日本支配人会の代表幹事で日本ゴルフ場支配人会連合会の田村和男会長からの書簡を紹介し、東西各地域の支配人会へ台風での被害状況の集約について調査協力要請を行っていることを明らかにした。
平成30年7月豪雨では広島県(他に岡山、愛媛県)で、被災したゴルフ場が復旧事業で補助金が認められた制度(中小企業等グループ施設等復旧整備補助事業)があり、自民党の赤池議員からその被災実態について調査協力要請があったという。またスポーツ庁からも12月の与党税調に向けてゴルフ場利用税撤廃運動を進める中で、ゴルフ場の地域への貢献状況を説明するためにゴルフ場に台風災害等での地域貢献活動についての調査協力依頼があるとしており、事務局では東西支配人会の常任委員に依頼して、情報収集を急いでいるという。

活性化委では、①第4回ゴルフフェスタの開催状況、②女性ゴルァー対象のコンペ開催実態状況、③オリンピック競技、④ウィズ・エイジングゴルフ協議会--が議題となった。①のゴルフフェスタは参加クラブ、参加者とも少なくなっているため改善を求める意見が出た。②では各県でアンケートを実施、③では「支配人会としてできるのはコース管理のボランティア参加」と結論、④では福島県と栃木県で実施したクラブがあり、他の地域・クラブでも検討すること、実施にあたっては協議会に相談したほうが良いなどの意見が出た。
なお、昨年8月に実施したスポーツ長官杯は来年9月開催に変更することが、先日開かれたゴルフサミット会議運営委員会で報告があったという。

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※「ゴルフ特信」第6437号より一部抜粋

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