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2019.09.13
2019/9/13 霞ケ関カンツリー倶楽部(埼玉)で東京五輪のテストを実施

8月14日から16日まで「第25回日本ジュニアゴルフ選手権」が開かれた霞ケ関カンツリー倶楽部(36ホール、埼玉県川越市)で8月15日、1年後に開かれる東京五輪関係の会見があった。

東京2020組織委員会は同ジュニア選手権を「東京五輪」のテストイベントとして位置付け、五輪会場ともなる東コース(ジュニア大会では男子15~17歳の舞台)で行った実施テスト内容を東京2020組織委員会の森泰夫大会運営局次長と、立石泰隆スポーツマネージャーが会見した。
テクノロジー関連として、リザルト(結果)をはじめとするデータ送信のテストが行われ、東コース1番のグリーン奥に建てたやぐらにグリーンレーザー測定器を設置、東コース18番(P4)セカンド地点のラフにはフェアウェイレーザー測定器を設置し、ボールの位置を特定する実地テストを行った。入力したデータは選手に帯同するスコアラーのスコア記録とともにテレビ放映などでリアルタイムに世界配信される。日本で初めて導入した機器のため機器の講習を受けた後にボランティアスタッフとゴルフを熟知したプロゴルファーも加わってテストを重ねているという。
次はローピング関連で、本番を想定したギャラリー移動のシミュレーションを行ったとしている。

森次長は、雷対策が重要としてコース内の高い樹木に避雷針を設置した以外にも避雷針の増設を検討中という。ジュニアの大会期間中も雷雲接近による一時中断があった。また暑さ対策も大きな課題とし、同対策については「日本ゴルフ協会(JGA)の方で、うがいやアイスノン付きベストの着用などを検討中」などと話した。ジュニア大会でも熱中症予防を呼び掛ける掲示板などが設置され、屋外型のエアコンも一部テントに設置された。医療体制も消防関係者が巡回するなど準備を整えているという。
キャパシティ2万5000人で国内で最大のギャラリー数が予想される対策については立石スポーツマネージャーが「トーナメント運営の経験があるので特に心配していない」などと話したが、選手やギャラリーの最寄り駅等からの移動についてはシミュレーションを重ねながら検討していくとしている。

一方、東京五輪のゴルフ競技を管轄するIGF(国際ゴルフ連盟)からピーター・ドーソン会長、アントニー・スキャンロンエグゼクティブディレクターが会見、「ほぼ順調に準備できている」と話し、懸念される暑さ問題も「私はスコットランドから来ていますが、ゴルフのトーナメントではマレーシアなど同じような気候で行うこともあります」(ドーソン会長)と語るなど大きな懸念は抱いていないという。当初は改造で懸念されたコースの状態も急激な暑さにも関わらず良好であった。
またコースセッティングに関しては「男子は日本ジュニアと同じ設定(総延長距離7466ヤード、パー71)、女子はLPGAのスタッフも入れて検討しています。バーディが見られるようなチャレンジングな面白い設定を考えている」とし、2週間に及ぶ大会でもありコース状態の維持に関しては「我々にとってもチャレンジです」と話した。東コースは短い距離の17番(P4、男子ジュニアでは343Yと306Yの2設定)やグリーン横の池が拡張された18番など終盤に見どころがありそうだ。

記者からは42年ぶりの日本人メジャー制覇となったAIG全英女子オープン優勝の渋野日向子選手に関する質問があり、「イギリスでも大きく取り上げられました。この時期に優勝するのは素晴らしいことで(五輪の)有力な候補になります」と話した。
その他、世界のゴルフ振興につながる大会になることを期待し、日本では「将来的にはゴルフ場利用税がなくなることを期待している」と話した。パラリンピックでのゴルフの採用は次々大会のロサンゼルスからを目指すという。
ちなみに、霞ケ関CCは、五輪前後の半年間、一般営業を休止すること(東コースが来年4月から10月頃まで、西コースが来年5月から9月ごろ)を決めている。

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※「ゴルフ特信」第6409号より一部抜粋

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