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2026.03.03
2026/3/3 ゴルフ場市場が4年連続の増加で8千億円台に回復と

㈱帝国データバンクが25年12月1日に発表した2024年度の「ゴルフ場業界」の市場動向調査によると、2024年度(2024年4月~2025年3月期決算)における「ゴルフ場」業界の市場規模(事業者売上高ベース)は、前年(7896億円)を3・0%上回る8100億円となったとしている。2018年度(8042億円)以来、6年ぶりの8千億円台とし、市場はコロナ禍を底に4年連続で増加し、緩やかな回復傾向が続いていると公表した。

発表によると24年度のゴルフ場市場は、コロナ禍でプレーを控えていたゴルファーの復帰、若年層や女性など新規層のリピーター化が進んだことが追い風となった。なかでもゴルフは「感染リスクが低いスポーツ」として注目され、特に若年層などビギナープレーヤーの参加が増加。ゴルフ場側でも初心者向けレッスンなど積極的なマーケティングにより、新規顧客を獲得。来場者数の回復を背景に、プレー料金の戦略的な値上げも行われ、市場規模を押し上げる要因となった。さらに、円安を追い風としたインバウンド(訪日客)需要の急回復も市場に寄与した。
業績動向では、「増収」39・8%と「増益」38・1%がいずれも最も多く、損益面では2021年度をピークに3年連続で低下したものの、高い水準で推移。一方、「赤字」となった企業は24・7%と前年度から上昇したものの、4年連続で20%台と低水準で推移した。

赤字比率が50%を超えた2011年度(52・0%)やコロナ禍の2020年度(47・5%)より大幅に低下した。しかし、人手不足が深刻化し、従業員のベースアップや賞与の増加、派遣キャディの人件費上昇などにより、販売管理費が増加したゴルフ場は多かった。キャディ不足を背景とした「カート化」や、老朽化したクラブハウスの建て替えといった設備投資も発生したとしている。

今後の課題として、プレーヤーの中心である団塊の世代が75歳以上の後期高齢者となる時期を迎えるなかで、プレーヤー数がさらに減少する可能性が高いことが挙げられるとした。そして既存会員数の減少に直面し、年会費などの手数料収入が伸び悩むケースもみられ、「既存会員を中心とした運営は限界感がみられる」とした。ゴルフ場運営でも、若手スタッフの確保が難しく、キャディを中心に既存スタッフの高齢化も進んでおり、さらなるプレーのセルフ化といった改革も迫られているとした。
他方で、若年層や女性など新規層の囲い込みがゴルフ場の収益拡大に大きく貢献している点は、長期的なゴルフ人口減少が課題だったゴルフ場経営にとって明るい材料と評価。高齢プレーヤー層の減少分をすべて代替することは難しいものの、新規プレー客の定着に向けたマーケティング戦略やコミュニティ形成支援が重要と評価されており、休眠ゴルファーの復帰や訪日客の利用増も背景に、市場全体では緩やかな上昇基調が続くとレポートをまとめている。
ゴルフ場経営の損益動向は24年度が増収39・8%(22年度58・6%、23年度48・6%)、前年並み34・1%、減収26・1%(14・2%、21・6%)と増収が減少し、減収が増えた。損益でも24年度増益38・1%(44・0%、41・5%)、減益35・7%、当年度が赤字24・7%(20・1%、21・8%)とまだ増益が多いが減益が増加し、赤字比率も高まった。同レポートでは増収面を取り上げたが、経費増加で利益が減少していることがわかる結果ともなっている。

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「ゴルフ特信」第7306号より一部抜粋

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