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2025.10.18
2025/10/18 シンガポール、2035年までにゴルフ場4カ所閉鎖へ

シンガポール政府が7月7日に土地の有効活用の観点から2035年までに国内4つのゴルフ場を閉鎖すると発表した。住宅開発や教育施設整備など他の用途に土地を転用するためとし、これにより国内のゴルフ場数は12カ所に減る見通し。日本向けビジネスサイトや時事通信が報じた。
閉鎖対象とされたのはマンダイ・エグゼクティブ・ゴルフコース(26年末)、ウォーレン・ゴルフ・アンド・カントリークラブ(30年10月)、オーキッド・カントリークラブ(30年12月)、タナメラ・カントリークラブのガーデンコース(35年末)の4カ所。24年にマリーナ・ベイゴルフコースが閉鎖されたそうで、今後も土地の再配置が進むとみられている。またシンガポールアイランドカントリークラブ(SICC)のBukit Courseと、Keppel ClubのSime Courseも30年末にリース満了を迎え、今後は公共ゴルフ場として少なくとも1つが再整備される。Orchidの運営を行う全国労働組合会議(NTUC)への用地提供も検討中という。

これら閉鎖後は、残る12カ所のうち、KranjiとSentosa(Serapong)の2コースはリース更新が認められ、40年末まで運営が継続される。その他7カ所のゴルフ場についても40年にリースが満了し、その後の更新については政府が検討を行う予定となっている。
国防省が運営するSembawang Country Clubを含め、今後の土地利用においては住宅、経済、交通、公共サービスといった国家的ニーズとのバランスが重視される。法務省は「ゴルフ場は固定期間のリースであり、契約終了後に土地を国家の優先事項に活用できるようにする」という。

一方、ゴルフ会員権業者によれば、閉鎖発表による即時の価格変動は限定的とされるが、長期的にはコース数の減少により価格上昇が見込まれるという。特にSeletarやSentosaのようにリース期間が長いクラブでは既に価格上昇が始まっており、今後も上昇が続く可能性が高いという。
また、政府はナショナルチームや若年層の育成を強化するため、Keppel Clubに続く第2のゴルフ訓練拠点を設置すると発表したそうで、週次のトレーニング枠を確保し、国内ゴルフの普及を支援する体制も整えつつあるという。
シンガポールは国土の大部分が国有地であり、これをリースする形でゴルフ場が運営されている。通常、リース期間は30年とされ、国有地の保有・管理は法務省が行っているそうだ。
ちなみにシンガポールアイランドCCは日本の太平洋クラブやTHE CLUB golf village(群馬県)等とレシプロカル契約を結んでいることでも知られる。

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「ゴルフ特信」第7252号より一部抜粋

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