2025.10.06
2025/10/6 日本テーマパーク開発、天城東急リゾートの運営に参画
日本テーマパーク開発㈱(内藤佐和子代表取締役社長、東京都千代田区)は2025年6月27日、東急不動産㈱(星野浩明代表取締役社長、東京都渋谷区)との間で伊豆観光開発㈱の全株式を取得する株式譲渡契約を締結したと発表した。これにより、約70年の歴史を持つ「天城東急リゾート」が新たな事業拠点となり、同社は全国展開へのさらなる一歩を踏み出す。運営への参画時期は伊豆観光開発㈱の株式を取得する2026年3月1日を予定している。
日本テーマパーク開発㈱は、栃木県那須町での「那須ハイランドパーク」や「那須高原りんどう湖ファミリー牧場」の運営を通じて、9年間で売上が2・5倍、従業員数が2.6倍に成長した。この成長は、単なるテーマパーク運営に留まらず、地域と一体となった観光振興や地方創生への取り組みが要因であると同社は説明している。
今回グループ化される伊豆観光開発㈱は、伊豆半島中央部の富士箱根伊豆国立公園内に位置する「天城東急リゾート」を保有する老舗企業。東急ハーヴェストクラブ天城高原(120室)のホテル運営受託、井上誠一氏設計の天城高原ゴルフコース(18ホール、静岡県伊豆市)のゴルフ場運営、そして約1000万平方メートル、2000区画の大規模別荘地管理を含む。
日本テーマパーク開発㈱の代表取締役社長である内藤佐和子氏は、「前徳島市長としての経験を活かし、2025年2月に当社代表取締役社長に就任いたしました。伊豆観光開発の取得は、当社がRX(地域変革)企業として全国展開する重要な第一歩です。那須で培った『地域と共に成長する』ノウハウを伊豆半島でも展開し、インバウンド需要も取り込みながら、新たな地方創生モデルを構築してまいります」と述べている。
今後の展開として、同社は伊豆の温泉、自然、文化といった固有資産を最大限活用、インバウンド対応として都心からのアクセスの良さを活かした海外観光客誘致を進める方針だ。また、那須での成功事例を応用したホスピタリティの向上、そして自治体や地元事業者との協働による地域経済の活性化にも取り組む。
日本テーマパーク開発㈱は、東京証券取引所への上場準備を進めており、M&Aによる全国展開を加速させる意向。那須モデルを全国に展開し、日本の観光立国戦略に貢献する「RX(地域変革)のリーディングカンパニー」を目指していくとしている。同社は2016年5月20日設立で、テーマパークや遊園地等の運営、別荘地管理、地域創生コンサルティングを事業内容としている。同社の親会社である日本駐車場開発㈱(東証プライム上場)は駐車場ビジネスからはじまり、スキー場の再生や教育など、様々な新規事業を立ち上げてきたという。
日本テーマパーク開発の広報担当取締役は「日本駐車場開発ではスキー場再生で地方の活性化について取り組んできました。今回の伊豆は初のゴルフ場運営ともなりますが、那須で培ったノウハウ、地域の特色を活かし、地域の方々と活性化に取り組みたい。天城高原から望める富士山などの眺望は素晴らしく、海外の方からも注目されると思います」と説明している。天城高原ゴルフコースは標高約1000メートルにあり、雲海とともに眺望できる富士山が眺められるほか、夏場の酷暑が厳しくなっている昨今、注目されるリゾートコースでもある。
上場する日本駐車場開発が開示した孫会社となる伊豆観光開発㈱(資本金1000万円)の25年3月期業績は売上高10億80百万円、当期純損益70百万円、総資産32億36百万円、純資産18億84百万円。資本金は33億73百万円を増資予定としており、本件増資は水道・温泉配管等の将来的な設備投資(CAPEX)およびゴルフ会員権の会員資格保証金への対応を目的とし、東急不動産㈱からの資金注入により実施されるものですと注釈が入っている。
