2025.08.22
2025/8/22 上場のGDOが、MBOによる株式の非公開化を発表
インターネットによるゴルフ場予約代行サービス等を行う㈱ゴルフダイジェスト・オンライン(石坂信也社長、GDO、東京都品川区)は5月15日、エクイティファンドの㈱TGTホールディングスがGDOのMBO(マネジメント・バイアウト)を目的にGDOの株式および新株予約権の公開買付け(TOB)を開始すると発表した。GDOはこれにより株式が非公開化され、上場廃止となる予定。GDO取締役会は本公開買付けに賛同し、株主に応募を推奨する意見を表明した。もっとも代表取締役社長である石坂信也氏と取締役である木村玄一氏は、引き続きGDOの経営にあたる予定で、主要株主は今回の公開買付けに応募しないことで合意しているとしている。
TGTホールディングスは、今年4月8日にGDOの株券等の取得・保有を主目的として設立され、インテグラル㈱(山本礼二郎代表取締役)がその全株式を保有する。インテグラルは、投資先企業との信頼関係を基盤に、長期的な視点でのエクイティ投資を行う独立系プライベート・エクイティと紹介。今後もGDOを経営支援していくという。
今回のMBOに至った背景は、GDOが国内外事業の再成長と長期的な企業価値向上を目指すため、外部の経営資源を活用し、ガバナンス体制の構築や新規IT投資といった抜本的な組織転換が必要であると判断し、中長期的な取り組みとなるため、短期的には株価が低下するリスクを考慮し、非公開化を決定したという。
本公開買付けの買付期間は5月16日から7月3日までの35営業日。買付価格は普通株式1株につき430円。新株予約権については、発表日時点での行使価額が普通株式の買付価格を上回っているため、1個につき1円で買い付ける。買付資金の最大は約42億7000万円。決済の開始は7月10日の予定。
TGTホールディングスは、買付予定数の下限を3599万9800株(所有割合19・69%)と設定し、応募株式がこの下限に満たない場合は買付けを行わない。一方、本公開買付けはGDOを非公開化することを目的としているため、買付予定数の上限は設定しないとしている。本公開買付け後、対象者株式の全てを取得できなかった場合には、TGTホールディングスはスクイーズアウト手続きを実施し、完全子会社化を目指す方針だ。
GDOの5月15日の株価終値は330円だったが、翌日はストップ高の410円まで急騰、以後430円前後で推移している。
5月15日に発表したGDOの25年12月期第1四半期決算(1月1日~3月31日)は売上高が134億57百万円で前年同期比3・8%増、EBITDAは3億58百万円で67・9%増となったが、営業利益等は損失が拡大していた。特に国内事業は45・7百万円の利益を計上しているが、海外事業は9億62・6百万円の損失と重荷となっており、上場維持基準(プライム市場の流通株式時価総額100億円等)への改善には時間を要すると判断したとみられている。