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2020.07.30
2020/7/30 新型コロナのゴルフ場への影響、東日本大震災2回相当分か

経済産業省は先ごろ、「特定サービス産業動態統計」の令和2年4月分の集計速報を発表した。
それによると、同月のゴルフ場(経済産業局所在の8都道府県のゴルフ場)利用者数は49万6874人で前年同月の79万918人と比べて37・2%の減少、売上高は39億41百万円で前年同月の76億82百万円と比べて48・7%の大幅減少となり、売上高・利用者数とも2カ月続けての減少となった。4月は新型コロナウイルス拡大の影響により、全国に緊急事態宣言が発令され、不要不急な外出の自粛が要請されたことからサービス業全般で業績が落ち込み、ゴルフ場は3月の売上高16・9%減、利用者数10・1%減を大きく下回る結果となった。
4月の内訳は、利用料金収入が平日で40・5%減、土・日祝日で53・0%の大幅減となった。その他売上高では食堂・売店(直営)が59・0%減、キャディフィ44・9%減とスループレースタイルに切り替えて、レストランの営業を縮小したり閉鎖した影響が数字に現れている。利用者数は、平日で会員16・2%減、非会員34・9%減、土・日祝日は会員27・2%減、非会員54・7%減となった。

4月の18ホール換算は、前年同月と営業ホール数が0・4%減少し、利用者数36・9%減、売上高48・5%減。客単価(1人当たり利用額)は8000円を割る7932円で、前年同月比1781円、18・3%の大幅下落となっている。1日当たりの利用者数は100人を下回る78・0人で前年同月から37・7人、32・6%減少した。
また、4月のゴルフ練習場は、売上高が前年同月比34・5%減、利用者数は土・日祝日で36・5%減で、トータルでは26・5%減となった。売上高は・利用者数とも2カ月連続の減少となった。3月の稼働打席当たり利用者数は125・9人で前年同月の121・2人を上回っていたが、4月の稼働打席当たり利用者数は101人で、前年同月の121・6人を上回ることはなかった。

ゴルフ場の動態統計売上高で20%を超える増減は数えるほどで冬期に降雪の有無で影響のあった2014年2月で29・1%減、翌年2月はその反動で43・9%増があった。東日本大震災のあった2011年でも3月15・2%減、4月13・8%減に過ぎず、例えて言うなら東日本大震災の影響分(3~6月で計50・4%減)が1カ月間で消失したに等しい。5月も4月同様の数値が見込まれることから、2回分相当と言える。もっとも西日本豪雨のあった2018年は5~9月で44・4%減少しており、天候によっては東日本大震災級のダメージがある年もあったが、これほどの落ち込みは統計史上初めてとなっている。

4月の対個人サービス業売上等の趣味・娯楽関連は、ほとんどが閉鎖した遊園地・テーマパークが98・9%減だったほか、ボウリング場92・4%減、パチンコホール61・8%減で、ゴルフ場48・7%減、ゴルフ練習場34・5%減となり、ゴルフ練習場の落込みが最も少なかった。
他の個人サービス業の教養・生活関連では結婚式場91・9%減、フィットネスクラブ69・8%減、学習塾15・3%減などだった。
4月の動態統計でプラスが目立ったのは、対事業所サービス業のエンジニアリング業で51・8%増、情報サービス業13・8%増などだった。

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※「ゴルフ特信」第6521号より一部抜粋

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