2025.05.07
2025/5/7 24年の関東会員権相場、東京西部など近郊が強し
ゴルフ会員権取引業の㈱桜ゴルフ(佐川八重子社長、東京都中央区)は、ゴルフマーケット情報1月号で関東圏における24年1年間の価格帯別や地域帯別の相場推移と、相場値上がり額ランキングトップ20を表にして報告しており、その傾向を紹介したい。
同情報によると、2024年の関東圏の平均相場は8・6%の高い伸びを見せ、20年以降5年連続プラスと報告。同社の集計では19年比で約30%の大幅高と表現した。
昨年は中・高額価格帯の総額300~500万円未満(会員権相場+名変料及び入会預託金)が17・6%上昇と突出し、500万円以上(8・8%上昇)、1000万円以上(8・7%上昇)も平均を上回った。個人のクラスアップ志向の定着と法人の名門回帰需要が寄与したと分析した。一方で150万円未満は辛うじてプラスを維持したものの停滞気味。前年の3倍にあたる80コースが年会費の値上げ(桜ゴルフ総研調べ)を打ち出す中、個人の売りが殺到する局面があったが、全体としては1年を通じて買い先行の活発な市場が展開されたと報告している。
次に2024年の地域別上昇率では、東京が31・2%上昇と他のエリアを大きく引き離した。 東京は名門比率が高く、入会条件が厳しいため伸び悩んでいたが、1000万円以上値上がりした小金井CCをはじめ、よみうりGC、桜ケ丘CC・府中CCの価格が上昇。一部の名門コースは、入会条件緩和や諸費用軽減での相場上昇後に軟化していたが、2024年は再び上昇基調に転じ、堅調な推移を展開すると分析している。
これら動向は、コロナ禍から続くゴルフ人気で予約が取れないため、近場で会員数が少ない名門コースが重宝されていることが背景にあると分析。企業業績が好調だったところから、法人の名門回帰需要は2024年も健在だったとしている。
同社がまとめた24年の相場値上がり額ランキングトップ20を見ると、前述の小金井CC、桜ケ丘CC、よみうりGCなど東京都8コース、神奈川県5コース、千葉県3コース、茨城県2コース、埼玉・長野県1コースと東京近郊が強い。グループ系ではPGMが3コース入った。同情報では今年も年会費値上げによる低価格帯の処分増が予想され、高額・中価格帯が全体相場を牽引していくと予想している。
ちなみに、トップ20の中で東京の青梅GCは年初65万円から年末200万円まで、値上がり率は最上位。その理由をクラブ関係者に尋ねると、会員権相場が低迷していたが20年ごろに配偶者割引制度を導入して、メンバー同様に利用できる使い勝手の良い制度となったことで夫婦で入会を希望する需要も増え、周辺相場の上昇と相まって上昇したと見られている。長らく相場が低迷した要因は2000年度から早めに年会費を値上げした影響もあるようだ。