一季出版株式会社

2020.09.03
2020/9/2 新型コロナのゴルフ場への影響、3カ月でマイナス100超

経済産業省は先ごろ、「特定サービス産業動態統計」の令和2年5月分の集計速報を発表した。
それによると、同月のゴルフ場(経済産業局所在の8都道府県のゴルフ場)利用者数は69万4251人で前年同月の100万2999人と比べて30・8%の減少、売上高は52億95百万円で前年同月の98億04百万円と比べて46・0%の大幅減少となり、利用者数、売上高とも3カ月続けての減少となった。

利用者数、売上高は新型コロナウイルス拡大の影響により、3月に19・9%減、16・9%減、全国に緊急事態宣言が発令された4月は37・7%減、49・1%減となり、5月は若干減少率も緩和したが、1カ月間で前年同月比が30%以上の減少となったのは比較できる2000年1月以降、今年4月が初めてだっただけに、5月も30%を超えるという21世紀で初めての経験となっている。
この3カ月でのマイナスポイント合計は利用者数マイナス88・4P、売上高が112Pとなった。東日本大震災があった2011年3~5月が-26・7P、-43・3P、西日本豪雨と台風等が影響した2018年7~9月で-45・6P、-39・5Pだったことから、今回のコロナショックによるゴルフ場業績へのインパクトは大震災や豪雨の3~4B分の影響度があったことになる。しかも、過去の自然災害の際には反動増加が到来したが、今回は世界的な感染症という収束まで長引く事態で、前例のない状況となっている。

5月の動態統計調査を詳しくみると内訳は、利用料金収入が平日で44・4%減、土・日祝日で40・0%の大幅減となった。その他売上高では食堂・売店(直営)が63・9%減(4月は60・3%減)、キャディフィ44・9%減(同)と4月に続きスループレースタイルに切り替えて、レストランの営業を縮小したり閉鎖した影響が数字に現れている。利用者数は平日で会員9・5%減(16・2%減)、非会員39・5%減(35・8%減)、土・日祝日は会員9・0%減(27・3%減)、非会員38・9%減(55・3%減)となり、会員の減少率は比較的低く〝非常時に活動率が高い〟会員の行動を示している。

5月の18ホール換算は、前年同月と営業ホール数が1・5%減少し、利用者数29・7%減、売上高45・1%減。客単価(1人当たり利用額)は4月(7932円)同様に8000円を割る7627円で、前年同月比2148円、22・0%の大幅下落となっている。1日当たりの利用者数は100人を下回る98・3人で前年同月から30・4人、23・6%減少したが、4月の78・0人より20・3人増加した。
売上高の半減は本紙姉妹誌の月刊ゴルフマネジメントが実施しているWebアンケートの結果から予想されたことだが、改めて20年の過去テータを調べてみても異例の事態であることがわかる。
また、5月のゴルフ練習場は、売上高が前年同月比25・5%減、利用者数は土・日祝日で20・9%減で、トータルでは17・9%減となった。売上高は・利用者数とも3カ月連続の減少となった。5月の稼働打席数は4月より22%増加し、稼働打席当たり利用者数は117人で4月の101人より大幅に増加した。

5月の対個人サービス業売上等の趣味・娯楽関連は、ほとんどが閉鎖した遊園地・テーマパークが98・8%減(4月98・9%減)だったほか、ボウリング場87・8%減(92・4%減)、パチンコホール77・5%減(61・8%減)で、ゴルフ場46・0%減(49・1%減)、ゴルフ練習場25・5%減(34・1%減)となり、引き続きゴルフ練習場の落込みが最も少なかった。
他の個人サービス業の教養・生活関連では結婚式場98・0%減(92・1%減)、フィットネスクラブ93・8%減(70・0%減)、葬儀場23・6%減(24・2%減)、学習塾21・9%減(14・7%減)だった。
対事業所サービス業では4月にプラスの業種もあったが、5月はインターネット付随サービス業2・6%減(1・6%増)、情報サービス業5・1%減(13・8%増)など10業種とも減少、もっとも減少したのは広告業30・9%減(21・3%減)だった。

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※「ゴルフ特信」第6534号より一部抜粋

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