一季出版株式会社

2023.07.30
2023/7/30 ゴルフツーリズム推進で、平準化や滞在日数増の可能性

琉球銀行系シンクタンクの㈱りゅうぎん総合研究所(那覇市)は、4月24日に「県内ゴルフ場の状況とゴルフツーリズムの可能性」と題した調査レポートを発表した。
19ページにわたるレポートで同社のサイトからPDFにて全文公開している。

同レポートの要旨によると、「コロナ禍により県内の観光業界は各分野において著しく厳しい状況が続いたが、ゴルフ場については、3密を避けるスポーツとして既存客及び、新しい層の利用者が増加し、いち早く好転の動きがみられた」とし、「2021年度の入場者数はコロナ禍前のピークであった17年度を上回り、22年度も高い水準で推移している。客単価も22年度はコロナ禍前の水準に近づいている」と現況を分析し、ゴルフと観光を組み合わせた『ゴルフツーリズム』の推進にあたり、ゴルフに関わる沖縄県の特徴と取り巻く環境をSWOT分析にて改めて確認したという。
そしてゴルフツーリズムは、数多くの優良な顧客を確保するために、その場所の魅力を効果的に伝えていくことが重要であることから、先進事例として、地元の行政や関係機関が率先して発信や誘致活動を行っている宮崎県の取り組みを紹介したという。

これら事例を紹介・分析した上で、「沖縄県でもゴルフツーリズムを推進することで、①年間を通した入域観光客数の平準化、②滞在日数の増加、③観光消費額の増加が期待でき、観光課題解決に繋がる具体策を検討した」という。
さらに「ゴルフツーリズムを推進するための課題として、①関係者の連携体制構築、②県内ゴルフ関連データの収集、③オーバーツーリズムへの対応が必要である」などとまとめている。

星野リゾートは西表島ホテル(沖縄)にて4月から連泊プロジェクトを開始したというが、同レポートではすでに宮古島などではオーバーツーリズムが指摘されるほど旅行客が押し寄せているようで、滞在日数の増加などが観光課題解決に繋がる可能性を検討している。本号で既報した小売物価指数では那覇市のプレー料金が全国一となっている。
ちなみに同レポートでは石垣島にゴルフ場の新設計画があることも言及している。

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「ゴルフ特信」第6934号より一部抜粋

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