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2023.01.12
2023/1/12 矢野経済、21年国内ゴルフ用品市場規模はコロナ前比4%増

㈱矢野経済研究所(水越孝代表取締役社長、東京都中野区)は、今年5月から8月にかけてゴルフ用品市場に関する調査を実施し、2021年の市場結果の概要を先ごろ発表した。
それによると、「2021年の国内ゴルフ用品市場規模は、メーカー売上高ベースで前年比19・4%増の2763億3000万円となった」としている。
前年(20年)は新型コロナウイルス感染拡大をもろに受けて約13%の大幅減少だった。しかし、21年は三密に該当しない屋外型のアクティビティとしてゴルフが注目されたことから増加に転じた。コロナ禍前の19年比では約4%増加した。既存ゴルファーの活動率の高まりとともに若年齢を中心とした新規ゴルファーや、ゴルフからしばらく遠ざかっていた休眠復活ゴルファーが増加したことが、ゴルフ用品市場規模の底上げに貢献した、と同社は説明している。

製品セグメント別は数量、金額ともに全てで前年を上回っており、ゴルフクラブは数量22・8%増、金額21・1%増(ウッド=15・3%増、16・2%増、ハイブリッド=21・5%増、24・7%増、アイアン=26・6%増、26・2%増、パター=20・4%増、17・1%増)。ゴルフ用品は金額14・8%増、ゴルフボールは数量8・5%増、金額18・8%増、ゴルフウェアは金額20・9%増、その他ゴルフ用品は金額11・0%増。
注目トピックとしては、新規ゴルファー参入増加に伴うクラブセット(主に初心者をターゲットにしたウッド・アイアン・パター及びキャディバッグがセットになった商材)を挙げている。クラブセットはこれまで国内ゴルフ用品市場の中で話題にならなかったが、同社では今回、主要ゴルフクラブメーカーへクラブセットの販売量調査を実施し、動向と市場規模の推計・算出を試みた。しかし、全体規模を推計するに足る回答を得られなかったことから、ゴルフ小売店約1100店舗対象のゴルフ用品実売動向調査「YPSゴルフデータ」から21年のゴルフクラブセット販売数量(約800店舗集計)をみてみると、前年比48・3%増、コロナ禍前の19年比では64・6%増と大幅に伸長し、特に女性用のゴルフクラブセット販売伸長率が高いという。

一方、今年(22年)のゴルフ用品市場規模は、前年比11・9%増の3092億1000万円と予測している。3000億円台を記録したのは2001年なので、実現すれば約20年振りの達成となる見通しだ。カテゴリー別でも全てプラス予測で、中でも金額規模の大きいウッド市場、ゴルフウェア市場は2桁台のプラスと予測しており、全体規模の底上げが図られているという。
同調査の詳細は『2022年版ゴルフ産業白書』(A4版575ページ、税込16万5000円)まで。

関連記事:2022/6/20 矢野経済、22年ゴルフ用品市場規模を前年比7%増と予測

※「ゴルフ特信」第6870号より一部抜粋

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