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2022.02.24
2022/2/24 ゴルフ場独自に森林のCO2吸収量を算出する方法

林野庁は昨年12月27日に「森林による二酸化炭素吸収量の算定方法」について2段階の算出方法を公開しており、ゴルフ場でも専門家に調査依頼することなく、二酸化炭素吸収量を算出して、その結果を消費者等のステークホルダーに対して効果的に訴求できることがわかった。
昨年10月に改訂された地球温暖化対策計画(令和3年10月22日閣議決定)では2030年度に約3800万t-CO2(2013年度総排出量比2・7%に相当)の森林吸収量を確保する目標が掲げられた。同庁としては民有林や、国有林などでの森林づくり活動等の取組を一層推進していくため、改めて算定方法の周知を図ることにしたという。

その計算式は、「森林の1ha当り年間二酸化炭素吸収量(t-CO2/年・ha) =森林1ha当りの年間幹成長量(m3/年・ha)×拡大係数×(1+地下部比率)×容積密度(t/m3)×炭素含有率×CO2換算係数」。専門的で難しいが、〝二酸化炭素吸収・固定量の「見える化」〟シートが公開されているので、会社名やメールアドレスを登録するとエクセルシートがダウンロードできて、森林づくりの二酸化炭素の吸収量のほか、木材利用による二酸化炭素の固定量を数字で算出・表示することが可能となる。
林政部企画課企画第一班では、「ぜひ活用していただきたい」と話している。

二酸化炭素吸収の簡易計算シートは「森林の所在地」、「樹種の選択」、「齢級」、「面積」を入力するとCO2吸収量が概算で算出される。シートのモデルでは栃木県のヒノキ、齢級5、面積2・0ha等で年間CO2吸収量は31トン、群馬県のスギ、齢級7、面積2・0ha等で46・3トンと算定されている。地域や齢級、樹種でも係数が異なるが、モデル案のCO2吸収量は森林面積の15・5倍から23・3倍まで幅がある。これはha当り立木本数、樹高等を対象の一部でも調査することにより、細かく算出できるという。樹木だけが対象なので芝でのCO2吸収量は算定外だ。
10年程前、縣和一九州大名誉教授(前西日本グリーン研究所所長)が地球温暖化防止に寄与するゴルフ場としてCO2吸収量を発表して話題となった。㈱ジュンは昨年、ロペ倶楽部(栃木)の里山で年間1191トンのCO2が吸収されていると公表しているが、簡易計算で同様の発表が可能なことからゴルフ場に活用して欲しいところだ。

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※「ゴルフ特信」第6758号より一部抜粋

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