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2021.11.09
2021/11/9 2020年の労災事故、発生件数、死亡事故ともに減る

日本ゴルフ場支配人会連合会(八木秀夫会長、東京都台東区)は、2020年(1月1日~12月31日)に東日本及び西日本支配人会加盟クラブ(西日本は一部非加盟クラブ含む)で発生した労働災害の実態を調査し、先ごろ調査結果をまとめた。
同調査は、静岡県を除く全国46都道府県1700クラブ(前年比16クラブ減、0・93%減)が協力している。これらクラブの過去1年間の延べ労災件数は871件にのぼり、前年に比べ144件減、14・19%減となった。
労災件数は、2016年に972件、2017年は微増し980件だったが、2018年には1103件と1000件を超えた。2019年も1015件と2年連続1000件超えとなったが、2021年は3年振りに1000件を下回った。

労災件数を東西に分けると、東日本(845クラブ=前年比10クラブ減)が406件で前年比66件減、13・98%減、西日本(855クラブ=同6クラブ減)が465件で前年比78件減、14・36%減と、東西ともに前年より2桁マイナスを記録している。
1クラブ当たりの災害件数は0・59件で、前年に比べ0・04件の減少となっている。東西別では、東日本0・48件(前年比0・07件減)、西日本0・54件(同0・09件減)と改善されている。
労災の内容をみると、重大事故は「死亡」が北海道、長野県、愛知県、兵庫県、福岡県で各1件の計5件発生した。前年に比べ2件減少しており、東日本で2件減った。「永久労働不能(障害等級1~3級)」(前年3件)と「永久一部労働不能(同4~14級)」(前年2件)は、ともにゼロ件となった。

職業別件数では、「キャディ」が410件(前年比83件減)と最も多く、以下、「コース管理」263件(9件増)、「その他各部署」157件(55件減)の順で、「コース管理」の労災のみが増えている。西日本で集計している「レストラン」は41件で前年に比べ15件減っている。
原因別件数では、滑り・ふみ外し・転倒転落等に起因する「行動」が572件(73件減)、カート・コース管理機械車輌等に起因する「機械」112件(1件増)、「その他」119件(31件減)、「打球」46件(13件減)となり、「機械」を除き前年より改善されている。西日本のみ集計の「通勤」は22件(28件減)。
一方、都道府県別の労災状況については、「前年より増加」したのが11県(=東4県、西7県、前年は18府県)、「前年と変わらず」が6都県(=東3都県、西3県、前年は4県)、「前年より減少」が29道府県(=東10道県、西19府県、前年は26都道府県)となった。20年は前年に比べて減少の方にシフトしており、中でも千葉県は前年の発生件数が全国で唯一の100件超だったが、20年は前年に比べ31件減少の77件と100件を下回っている。労災事故ゼロ件は全国で岩手県のみだった。秋田、新潟、島根3県はそれぞれ前年よりも労災発生件数を減らして、20年は1件の発生としている。

なお、西日本支配人会連合会では15年から、総従業員のうち業務委託及び派遣の労働者について「労災適応非従業員」(8055人、前年比1400人増)として労災実態がわかるようにまとめている。20年の労災適応非従業員の労災件数は9件(21件)だった。重大事故は「死亡」がゼロ件(ゼロ件)、「永久労働不能」がゼロ件(ゼロ件)、「永久一部労働不能」がゼロ件(1件)。職種別では「コース管理」が5件(10件)、「キャディ」が4件(8件)、「レストラン」がゼロ件(3件)、「その他各部署」がゼロ件(ゼロ件)。原因別では「行動」が7件(13件)、「機械」が1件(1件)、「打球」が1件(ゼロ件)、「その他」が0件(6件)、「通勤」がゼロ件(1件)となっている。

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※「ゴルフ特信」第6714号より一部抜粋

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