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2021.07.17
2021/7/17 4月家計調査、松山効果か?20代以外プレー費用大幅増

総務省統計局がまとめた2021年4月の「家計調査」(家計収支編)によると、二人以上世帯の収入は2・3%増加(実質2・8%増加)、消費支出は12・4%増加(13・0%増加)と前年のコロナ禍の反動で大幅増加した。
ゴルフ関係でみると、二人以上世帯の4月の消費支出は、ゴルフプレー料金の購入頻度が100世帯当たり13回で前年同月と比べ116・7%増、1世帯当たり支出平均は822円で前年同月比103・0%増であった。また、4月のゴルフ用具の購入頻度は100世帯当たり1回で前年同月と同じ、1世帯当たりの支出平均は134円で前年同月比294・1%の増加となった。

4月のゴルフ関係消費を世代別にみると、ゴルフプレー料金の頻度は60代が20回(233・3%増)で最多、70歳以上も18回で前年同期より50・0%増えた。次に多いのが12回で50代、以下40代5回、30代3回で、今年3月までプレー料金への頻度・消費が目立っていた29歳以下は1回となり、低迷期に戻った。
プレー料金支出では4月も60代が1443円(202・5%増)と突出しており、70歳以上927円(19・0%増)、50代768円(573・7%増)、40代413円(182・9%増)、30代134円(88・7%増)、29歳以下46円(30・3%減)と続いた。60代は昨年7月以降、10カ月連続増加し、29歳以下は3月の6カ月連続増加で止まり、4月は唯一の減少だった。4月で特筆できるのは60代の好調さと70歳以上の戻り、それに次世代を担う働き盛りの50代、40代が大きく回復したことだ。

1~4月を単純集計した前年同期との増減率ではプレー料金が29歳以下の頻度で72・7%増、支出金額で126・4%増がまだ高く、次の60代は頻度で24・0%増、支出も62・4%増とともにプラスで市場をリードしている。
また、4月のゴルフ用具の支出では頻度で50代が3回で106円、60代は2回だが支出は284円、以下、40代1回で142円、30代は頻度0回も245円と支出では2番目の多さとなった。30代は昨年2月等のゴルフ用具支出で爆買いがあり、夏以降のプレー料金支出が好調だったが29歳以下が大幅に伸びるにつれ市場の主役が60代や29歳以下に取って代わられていた。しかし、4月に30代のゴルフ用具支出は60代に次ぐ245円となり、昨年同様の盛り上がりが期待できる。

4月は松山英樹プロのマスターズ優勝もあり、既存ゴルファーや再開ゴルファーのゴルフ熱が高まったと見られる。何より、一昨年同期と比較しても人口の多い40代や50代等の次世代ゴルファーがやっと活発になってきた意義は大きい。29歳以下が一時の勢いを失くしつつも、30代が復活するなど他の世代を刺激し、全体で回復する好循環が本格化しつつあると考えられる。

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※「ゴルフ特信」第6668号より一部抜粋

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