一季出版株式会社

2021.07.12
2021/7/12 4月動態統計、ゴルフ場・練習場とも脅威的な反動増

経済産業省は先ごろ、「特定サービス産業動態統計」の令和3年4月分の集計結果速報を発表した。
それによると、同月のゴルフ場(経済産業局所在の8都道府県のゴルフ場、増減率は調査対象の見直しを行い不連続が生じているため経産省発表を採用)利用者数は85万7118人で前年同月比61・6%の増加(昨年は37・1%減)、売上高は78億23百万円で前年同月比84・6%の増加(昨年は48・2%減)で、売上高・利用者数とも3カ月連続の増加となった。
4月の内訳は、利用料金収入が平日で88・1%の大幅増加、土・日祝日でも76・6%の大幅増加となった。その他売上高では食堂・売店(直営)が110・1%増(58・9%減)、キャディフィ70・5%増(45・1%減)となった。利用者数は、平日で会員48・8%増(15・7%減)、非会員76・7%増(35・1%減)、土・日祝日は会員31・7%増(26・9%減)、非会員68・9%増(55・0%減)となった。

1~4月の単純合計(経産省は非連続があるとしてこの合計は出していない)では売上高22・9%増、利用者数22・8%増となり、昨年3月からコロナ禍の影響でゴルフ場も利用者数、売上高の減少が目立ち、特に昨年4月は緊急事態宣言が初めて発出された時期で、明かな反動増となるとともに今年4月に松山英樹プロがマスターズで日本人初の優勝を遂げてゴルフ人気に拍車がかかったとみられる。
今年4月の18ホール換算は、前年同月と営業ホール数が0・1%増加し、利用者数60・8%増、売上高81・4%増。客単価(1人当たり利用額)は9127円で、前年同月比1032円、12・8%の上昇となっている。1日当たりの利用者数は121・0人で前年同月比53・5%の増加。
何もかもが驚異的な増加率で、前々年同月と比べても売上高で1・8%増とわずかではあるがプラス、利用者数は8・4%増であった。ただし、絶好調そうに見えるが前々年と比較すると、食堂・売店(直営)は6・4%減、客単価は6・0%減とまだ戻り切っていない状況となっている。

18H換算利用者数の過去を遡ると今年4月の3157人は2002年4月の3156人を1人上回り過去最多。4月としては2001年に3130人、2018年に3110人、2019年に3066人があり、昨年を挟んでわずかながら過去最多となった。
5月のターゲットは2015年5月の4100人で、同年4月は2933人と少なかった反動。2000年5月は4091人で、同年の4月は3079人だったことから、今年の5月は更新する可能性がある。
一方、4月のゴルフ練習場は、売上高が前年同月比67・2%増、利用者数は土・日祝日で58・9%増、トータルでは55・6%増となった。売上高は7カ月連続増、利用者数は昨年7月から10カ月連続の増加と〝特需〟が続いている。

1打席あたりにすると今年4月は144・3人で前年同月の100・9人より43・4人増えた。2000年以降の統計で4月の最多は2009年4月の134・0人で今年は4月として余裕で過去最多となった。単月の最多は2009年の5月に148・3人で、2010年5月に146・9人を記録しているので、今年5月にこれを超えるか注目される。ちなみに2009年は石川遼プロが18歳で史上最年少の賞金王を獲得し、宮里藍プロも同年に海外初優勝を遂げており、練習場にも通う人が多いブームとなっていた。今回のブームは10年前を超えそうな雰囲気だけにどこまで盛り上がるのか注目されるところとなった。
ちなみに、コロナ禍kの反動で今年4月は多くのサービス業で反動増が目立った。対事業所サービスでは10業種中7業種が増加、ゴルフ場などを含む対個人サービス業では10業種中全10業種で増加となった。特に前年4月に閉鎖が目立った遊園地・テーマパークは4070・1%増と驚異的な反動増となっている。

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※「ゴルフ特信」第6666号より一部抜粋

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