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2021.07.07
2021/7/7 国交省統計令和2年度ゴルフ場建設工事は件数、金額大幅減

国土交通省は、令和2年度分(令和2年4月~令和3年2月)の「建設工事受注動態統計調査報告」を先ごろ公表した。
この統計調査は、全国の建設業許可業者約47万業者から約1万2千業者を対象に実施しており、そのうちゴルフ場建設工事の請負契約額は1件当たり500万円以上を集計している(平成25年度に推計方法を変更)。

その公表によると、令和2年度の全国ゴルフ場建設工事金額(請負契約額)の総額は48億4300万円で、前年度実績に比べ50億3800万円、50・98%減少した。工事件数は219件で前年度実績に比べ385件、63・77%の減少。金額は2年連続の減少、件数は2年振りの減少となっているが、金額、件数ともこれほどまでの落込みはかつてない。
工事を発注した企業の工事金額を業種別(全11業種)でみると、「鉱業、建設業」が2000万円で前年度に比べ74・89%増加しているが、あとは2業種が2年度連続ゼロ、8業種がマイナスとなった。減少は「金融・保険業」が前年の600万円からゼロとなり100%の減少、以下、「電気・ガス・熱供給・水道業」1700万円で92・70%減、「製造業」2700万円で88・95%減、「卸売・小売業」900万円で86・15%減などと続き、ゴルフ場を含む「サービス業」は40億2700万円で50・05%と半減している。工事金額1億円以上は計4業種だった(前年度6業種)。
工事件数では、2年度連続で受注工事ゼロの2業種を除く9業種で前年実績を下回ってた。落込みが大きい順では、「金融・保険業」が前年度1件あったのが今年度ゼロ件となり100%減、「サービス業」が174件で前年度比66・77%減、「製造業」3件で59・62%減、「運輸業」5件で56・53%減などとなり、50%超の落込みは計5業種にのぼっている。

一方、令和2年度の1件当たり工事金額を計算すると2210万円で、前年度との比較では34・76%増加している。
ゴルフ場の経営環境が依然として厳しく、工事といってもカート道路の工事など部分的リニューアル等の中規模なものが主流となっているが、令和2年度の落込み方は明らかに新型コロナウイルス感染拡大の影響が出たとみられる。
ちなみに、ゴルフ場建設工事を含む同統計の土木工事全体の工事金額は4兆2647万7500万円で、前年度に比べ11 ・7%の増加。工事種別(全10種類)では増加が発電用土木工事、電線路工事、埠頭・港湾工事・鉄道工事の4業種。あとの6業種は減少で、ゴルフ場建設工事は減少率が最も高かった。

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※「ゴルフ特信」第6664号より一部抜粋

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