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2019.08.25
2019/8/25 旧・茨戸CC(北海道)「エムアール茨戸カントリークラブ」に改称

昨年11月1日に札幌地裁へ自己破産を申請し、同日破産手続開始の決定を受けた㈱札幌ゴルフ場(本社=コース、資本金5225万円)が経営していた茨戸カントリークラブ(18ホール、昭和41年7月開場、北海道石狩市)が新しい経営者により、「エムアール茨戸カントリークラブ」(18ホール、北海道石狩市=従来と同)として8月5日にグランドオープンする。
7月20日に仮オープンし、ホームページ(https://barato.jp/)も更新しており、「復活、北のリンクス」(皆様のご協力に感謝いたします)、「札幌駅から車で40分」(市内中心部から最も近いゴルフ場)、「フラットでいながら戦略的」(5人乗り乗用で楽々プレー)とアピールし、8月5日グランドオープンと案内している。会社概要の欄は「エムアール茨戸カントリークラブ」(運営元=㈱北海道放射線管理センター、山川武代表取締役)となった。

ipadナビを新たに搭載し、5人乗りカートでプレー料金(税別)はメンバーが平日5230円、土・日祝日6180円、ビジターは平日7280円、土・日祝日1万1030円、ビジターの午後プレーは平日6180円、土・日祝日8930円、平日のサンセットハーフプレーはメンバー2380円、ビジター3280円、メンバー同伴のビジター2580円で案内している。キャディ付き希望の場合は4Bで2000円、ジュニア料金も設定している。
同クラブでは8月1日から新規会員を15万円(入会金のみ)で募集する。会員年会費は2万2000円。旧会員は5万円の手数料で新会員として受け入れる。旧会員数は約940名で、新規会員合せて1000名程度集めたい意向。

経営の㈱北海道放射線管理センター(山川武代表取締役、札幌市北区)は個人被曝線量測定及び管理、放射線利用施設の漏洩線量測定及び管理等を行う会社で、地下鉄北24条駅から徒歩1分のところで立体駐車場を利用した国内最大級の室内練習場というエムアールゴルフセンター(札幌市北区)を平成22年10月から運営しており、〝健康産業の一環〟としてゴルフ場経営にも名乗りを上げたという。同センターでは「英会話&ゴルフ」のユニークなレッスン(月4回分で計1万円)も行っているという。

ところで、同ゴルフ場は、昨年9月6日の「平成30年北海道胆振東部地震」でコースに地割れと液状化が発生し、営業を休止していた。当時の経営会社によると15ホールにわたり地割れが発生し、修復には少なくとも3億7000万円以上要する見込みなことから自力での再建を断念し、昨年11月に自己破産を申請していた。
引き続き支配人となった宮下智博支配人は「5月末に決まった新しいオーナーが再オープンを急ごうと業者に依頼し、地割れの部分を埋め戻したりと応急措置で18ホールがプレーできる状態に回復した。ハウスは被害がなかったが、ハウス前の道路は整備し直した」と話している。

一方、破産管財人の吉川武弁護士(吉川武法律事務所、札幌市中央区)によると、ゴルフ場としての再建が可能と判断。今年4月に管財人のもとで入札を行い、5月に締め切ったという。この入札の結果、ゴルフ場の事業譲渡先は上記の㈱北海道放射線管理センターに5月末に決まった。事業譲渡額は1億1000万円で、会員を中心とした債権者への配当率は21%に確定、8月中に債権者へ通知するとともに9月に報告集会が行われる予定。
吉川弁護士は「(石狩川に隣接し)借地が多く、コースの復旧問題を抱えたゴルフ場だったが、地震被害以外は問題が少なく、コースの立地や内容の評価が高かった」ことから破産事件としては異例の高配当となったという。会員預託金(計約3億円)も20万円や30万円と少なかったが、配当金で新会員手数料相当に充てられる人も多いようだ。

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※「ゴルフ特信」第6403号より一部抜粋

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