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2018.12.07
2018/12/7  自民党5部会合同会議、公務員倫理規程改正決

 自民党文部科学部会は、ゴルフ場利用税廃止や公務員倫理規程の改正(ゴルフ禁止の削除)で共同歩調をとっている自民党ゴルフ振興議員連盟などとともに11月16日に5部会の合同会議を開き、〝公務員倫理規程から「ゴルフ禁止」の見直しを求める決議〟を採択した。
 同会議は、赤池誠章文部科学部会長の司会・進行で、業界団体や関係省庁より意見を聴取した。
 ゴルフ団体からは、ゴ連協から日本ゴルフ関連団体協議会の小宮山義孝会長が代表し「ゴルフは世界146カ国、6000万人が愛好するスポーツ。ゴルフ規制は国家公務員のゴルフを阻害している」などとしてゴルフ場利用税の廃止とともに、公務員倫理規程から〝ゴルフ規制の削除〟を要望した。
 また日本スポーツ協会、日本オリンピック委員会、文部科学省、スポーツ庁の事務担当者も同様に、ゴルフ規制の見直しを求めた。

 一方、人事院の国家公務員倫理審査会事務局担当者も出席し、公務員倫理規程で〝利害関係者とのゴルフ禁止〟が盛り込まれた背景などを説明した。
 続いて、会議に参加した自民党議員からの質問時間となり、「何故、ゴルフだけ特筆しているのか」、「テニスなど他のスポーツはいいのか」など、その質問の矛先は国家公務員倫理審査会の担当者に集中。同担当官は「規程も時代とともに動くと思われるが、前回行った詳細な調査で自己負担をしてでも利害関係者とのゴルフには疑念を感じる方が7割以上いて、覆らなかった」と答えた。ただし、文科省やスポーツ庁が行動しており、「(見直しについて)十分対応していきたい」と話した。
 今年発覚した文科省をめぐる汚職事件に関連して公務員4名が利害関係者とゴルフをしたとして厳重注意処分を受けており、「規程がなければ犯罪にならなかった形式犯だ」として規程の見直しを求める意見もあった。

 なお、ゴルフ場利用税廃止要望については、改めて11月30日に合同会議を開き、廃止決議を行う方針だ。16日の合同会議に出席したオリパラ東京大会実行本部によると、霞ケ関CC(埼玉)で開かれる2020年ゴルフ競技参加者のゴルフ場利用税負担額は「男女含め参加者120人分で57万6000円」になるという。
 今回「文部科学部会・スポーツ立国調査会・2020年オリンピックパラリンピック東京大会実行本部・同ゴルフ場利用税廃止検討チーム・自民党ゴルフ振興議員連盟」の5部会が決議した〝公務員倫理規程から「ゴルフ禁止」の見直しを求める決議〟の要旨は次の通り。
 ゴルフはスポーツである。オリンピックはもちろん、国民体育大会をはじめとする各種競技大会の正式種目となっている。またゴルフは老若男女を問わず、生涯を通じて競技することができるスポーツであり、健康寿命延伸にも繋がることで注目されている。また、ゴルフ場はかつては環境破壊、森林破壊の元凶の一つといわれた時期もあったが、今や地域の雇用と経済を支える多面的な機能が評価されるに至っている。

 にもかかわらず、「ゴルフ場利用税」が課税され続け、国家公務員倫理規程では、利害関係者とゴルフをすること自体が倫理規程違反とされている。この規程は地方公務員でも準じて規程されており、スポーツとしてのゴルフの振興を図るにあたっては大きな抑制要因となっている。
 かつては利害関係者との飲食についても禁止行為であったが、現在は届け出れば同席してもよいことに変更されている。しかし、ゴルフだけは依然として禁止行為である。時代の変化にそぐわない、道理の通らない規程は順次見直すことも必要である。
 二年後は「2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会」が開かれる。世界各国の人たちの目に、この倫理規程はどううつるのか。国のスポーツの振興を担っているにもかかわらず、国家公務員となると、たとえ自己負担でも利害関係者とはゴルフができない矛盾がおきている。
 国家公務員倫理審査会は国家公務員倫理規程においてゴルフを禁止行為とした規程を見直すべきである。そして、地方公共団体の公務員倫理規程においても同様に見直しを要望する。

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※「ゴルフ特信」第6307号より一部抜粋

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