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2018.09.12
2018/9/12  文科省の2019年度税制改正要望、明らかに

文部科学省(スポーツ庁)が〝ゴルフ場利用税の廃止〟を盛り込んだ来年度の「2019年度税制改正要望事項」の内容が同省のホームページで明らかになった。
 同利用税廃止要望は「1、教育、科学技術イノベーション関係」に続き「2、スポーツ関係」の(1)でゴルフ場利用税の廃止として、盛り込んでいる。
 要望の本文は「スポーツの中でゴルフのみゴルフ場の利用に課税されており、その税収は自治体の一般財源となっている。ゴルフは、大衆化やプレー料金の低廉化が進む中、五輪の正式競技である国民的スポーツであることから、2020年東京大会の開催を控え、ゴルフ場利用税を廃止する。また、税収が自治体の貴重な財源であることを鑑み、その配慮方策を検討する」(現状、18歳未満の者、障害者がゴルフ場を利用する場合等には非課税となっている)。

 昨年までの要望は、「廃止」理由として、①消費税との二重課税の解消、②スポーツのうち2016年オリンピックから正式競技となったゴルフのみに対する課税の解消、③スポーツ基本法の理念「生涯スポーツ社会」の実現へ寄与--を挙げていたが、今回から〝その税収は自治体の一般財源となっている〟が優先され、〝税収が自治体の貴重な財源であることを鑑み、その配慮方策を検討する〟に付け替えられた。

 さらに、スキーム図も一新。1つの流れとして①「ゴルフ場利用税の廃止」→「ゴルフ人口増大」→「スポーツ参画人口の増大」→「生涯スポーツ社会実現」→「地域健康社会への貢献」→「地域振興への貢献(ゴルフ場所在自治体の経済的財政的な振興への貢献)」→「ゴルフ関係者の協力のもと自治体によるゴルフ振興策の実施」につながり、もう一方の流れとして、②「自治体の財源への配慮方策」→「ゴルフ関係者の協力のもと自治体によるゴルフ振興策の実施」→「ゴルフ人口増大」と「ゴルフ場利用人口増大」と「ゴルフ場の閉鎖の歯止め」→「ゴルフ場利用に伴う地域の消費増大、ゴルフ場等関連産業の雇用増大、ゴルフ場利用に伴う税収増大等」→「地域振興への貢献(ゴルフ場所在自治体の経済的財政的な振興への貢献)」をチャート化し、〝ゴルフと地域の共存共栄サイクル〟を描いた。

 これまでは、利用税の廃止理由を前面に出して、昨年の税制改正論議で文科省側からゴルフ場所在市町村へ示した代替財源シミュレーション(課税対象者から寄付金を募る他、ゴルファーへの「ふるさと納税」を呼びかける。また市町村の税収減は地方交付税分の75%が補填される)も今回は提示せずに、地方自治体(総務省)との対話、共栄路線で税制改正論議を進めたい意向がうかがえる。

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※「ゴルフ特信」第6277号より一部抜粋

 

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