2025.09.08
2025/9/8 全国のゴルフ場労災事故、24年は947件で約3%増
日本ゴルフ場支配人会連合会(東京都台東区)が先の幹事会総会で発表した、2024年(1月1日~12月31日)の労働災害実態調査(東日本及び西日本支配人会加盟クラブ、西日本は一部非加盟クラブ含む)によると、20~25年前の労災事故件数より大幅に少なくなったが、幹事会でも指摘されたように死亡事故が目立ち、シートベルトの確実な着用と樹木伐採に関するチェックシートの使用徹底を求める緊急通達を全国のゴルフ場へ発出することが決まったほどだ。
24年調査では東日本及び西日本の支配人会が静岡県と新潟県(21年末で退会)を除く全国45都道府県の1615クラブ(前年比18クラブ減、約1・1%減)の協力を得て調査しており、それによると24年の労災件数は947件にのぼり、前年の919件から28件増加(約3・0%増)した。
24年中に発生した労災事故のうち、最も憂慮される死亡事故は6件(東日本3件、西日本3件)報告され、23年の4件から2件増加した。死亡事故の多くがコース管理作業中に発生しており、作業車輌の安全な運転操作、斜面や不整地での作業、樹木伐採作業への注意喚起がなされた。また、永久一部労働不能事故(障害等級4~14級)も西日本で1件(兵庫県、樹木伐採作業中に約6・7mの高さから転落)発生しており、高所作業における安全対策の徹底も求められる。永久労働不能(障害等級1~3級)はなかった。
労災件数を東西地域別に見ると、東日本(779クラブ、前年比12クラブ減)では487件(前年比20件増、約4・3%増)、西日本(836クラブ、前年比6クラブ減)では460件(前年比8件増、約1・8%増)となり、東西ともに前年を上回った。
1クラブ当たりの労災発生数で見ると、全国平均では0・59件となり、23年の0・56件から0・03件増加した。東日本では0・63件(23年0・59件)、西日本では0・55件(23年0・54件)と、東西ともに微増傾向にある。都道府県別で労災件数が「前年より増加」したのは20都府県(前年13都道府県)で福岡県(18件増)、宮城県(17件増)などが増加。一方で、北海道(12件減)、宮崎県(12件減)などは大きく減少した。
労働災害の内容では、重大事故が「死亡」6件(前年2件増)、「永久労働不能(障害等級1~3級)」0件(0件)、「永久一部労働不能(同4~14級)」1件(1件増)。その他、休業災害は30日以上が165件(17件増)、8日以上425件(10件増)、4~7日105件(23件増)、1~3日245件(25件減)となり、災害件数合計は947件(28件増)で前年比は増加も1000件の大台は2年連続で下回った。
職種別件数は、「キャディ」424件(8件減)、「コース管理」280件(32件増)、「その他各部署」243件(4件増)で、キャディ以外は増加した。西日本のみ集計の「レストラン」は42件で前年比8件減少した。
原因別件数では、滑り・ふみ外し・転倒転落等に起因する「行動」が626件(15件増)と圧倒的に多く、次いで「その他」133件(8件増)、カート・コース管理機械車輌等に起因する「機械」95件(5件増)、「打球」58件(4件減)。西日本のみ集計の「通勤」は4件増の35件。