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2025.07.23
2025/7/23 神奈川県、茅ケ崎ゴルフ場の運営事業者を募集

神奈川県は4月14日に、令和8年4月1日からの茅ケ崎ゴルフ場運営事業者を募集すると発表した。「市街地に残る貴重な緑の空間をゴルフ場として将来に引き継ぎつつ、魅力あるまちづくりを推進する提案をお待ちしています」とメッセージを添えている。
所在地は神奈川県茅ケ崎市菱沼海岸6815の3外で土地面積19万6807平方メートル(内県有地約11万8170平方メートル、茅ケ崎協同㈱所有地7万5099平方メートル、茅ケ崎市有地3536平方メートル)、用途地域は第一種低層住居専用地域。

事業者募集要項等は次のホームページに掲載(https://www.pref.kanagawa.jp/docs/gh8/cnt/f537753/index.html)している。応募書類の受付は令和7年8月21日及び22日。公募型プロポーザル方式で事業提案書に記載された提案内容及び提案価格について評価を行い、事業遂行能力を最も有する事業者を優先交渉権者に決定(令和7年9月頃の予定)する。
提案上の主な留意事項としては、①「茅ケ崎ゴルフ場区域の利活用に関する考え方」(令和7年1月茅ケ崎市策定)及び「菱沼海岸地区地区計画」(令和7年3月茅ケ崎市指定)の内容を踏まえた提案であること。②募集要項に定める「応募にあたっての条件」を満たす提案であること。③30年間の事業用定期借地権設定契約及び使用貸借契約を締結すること--。問合せ先は神奈川県総務局財産経営部財産経営課。
令和7年1月に策定された「茅ケ崎ゴルフ場区域の利活用に関する考え方」は、①広域避難場所の確保等のため、ゴルフ場を継続、②広域避難場所の継続的な確保、事業者の参入促進の観点から、30年間の長期契約を締結、③ゴルフ場の安定的な存続による住環境の保全とまちの魅力づくりのため、市は西側のゴルフコース以外の区域の土地利用制限の一部緩和を検討--と定めており、県財産経営課では「ゴルフコース西側の交流ゾーンは30年間の利用で開発が可能」としており、これら事業提案を含めて県では優先交渉権を決定するという。

〝茅ケ崎ゴルフ場〟は、㈱ゴルフダイジェスト・オンライン(GDO、東京都品川区、石坂信也社長)が2021年4月から2026年3月末までの契約で、GDO茅ケ崎ゴルフリンクス(9ホール、神奈川県茅ケ崎市)等で利用している。
〝茅ケ崎ゴルフ場〟は、昭和32年に防衛大学の建設のため、横須賀市小原台にあったゴルフ場の移転先として整備され、茅ケ崎海岸の観光開発を目的とした市営ゴルフ場として開場。昭和42年に市がゴルフ場運営から撤退し43年から民間ゴルフ場運営(安達建設グループの茅ケ崎GC)となった。平成26年に民間事業者の運営撤退により土地所有者と市が茅ケ崎ゴルフ場の利活用基本方針を策定、同方針に基づき事業の優先交渉権者を公募し選定されるも事業者の撤退等で計画が中止となり、一方で新型コロナウイルスが落ち着くまで事業提案が期待できないと、暫定的にゴルフ場を営業継続することを決めた。
以前の県や市、住民等の話し合いでは防災拠点としてゴルフ場存続と県が定めた賃料がネックとなったが、今年1月の市の決定ではゴルフ場は存続することが前提となった。これは地震や台風等の自然災害の懸念が増えている昨今の事情と、地域の子供や住民との交流を図るGDOによる運営がもたらした結果とも評価できそうだ。

「ゴルフ特信」第7214号より一部抜粋

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