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2025.05.05
2025/5/5 2023年度全国ゴルフ練習場、利用者数1・6%減少

月刊ゴルフレインジ、㈱ゴルフ経営研究所共同調査*ゴルフ練習場業界の専門紙「月刊ゴルフレインジ」(東京都渋谷区)を発行するケージーアール出版と、系列調査機関である㈱ゴルフ経営研究所は、2023年度(23年4月1日~24年3月31日)の「全国ゴルフ練習場の施設数と利用状況」の共同調査結果を「月刊ゴルフレインジ」2月号(1月25日発行)で発表した。
それによると23年度の調査対象施設数は前年度比14カ所、0・5%増の2886施設で、その延べ利用者数は9504万9千人となり、前年度に比べ153万4千人減少(前年度は372万5千人減少)、率では1・6%減(3・7%減)で2年連続の減少となった。施設数はインドア施設の増加で22年度で施設数の減少が30年振りに止まり、2年連続の増加。ただ施設数ピークの1992年度は5420施設が存在していたとし、累計では2562施設少なくなり、約半分に縮小しているという。

延べ利用者数は、コロナ禍で練習場特性が幸いし20年度3・3%増、21年度は10・9%増で12年度振りに1億人突破の1億30万9千人を記録する〝コロナ特需〟に沸いたが、22年度は一転反動減となり3・7%減少、23年度も後遺症が残り減少率は1・6%に縮まったものの2年度連続の減少となったという。
1施設当たり利用者数は3万2935人で前年度比2・1%減と2年度連続減少した。ただ20年度以前よりも依然優秀だ。
同報告によると、練習場業界は2010年度から延べ利用者数が落ち込み、11年度の東日本大震災やその後の異常気象、消費税増税、地震、豪雨等で回復に時間がかかったが、19年度からスタープロの活躍もありゴルフ人気が再来し、1施設当たり延べ利用者数は2・4%増を記録、20年度はコロナ禍で需要減が懸念されたものの練習場特性が幸いし5・8%増、21年度は1施設当たり15・1%増の3万4987人となる〝コロナ特需〟が到来、22年度はシミュレーターの再ブーム(最初は1985~95年と解説)もあってインドア施設が増加し、また反動減が重なり一転マイナスに転じ、23年度まで続いた。24年は初頭の能登半島地震や猛暑もあって利用者数の微減が続いているとしている。

また施設については1993年度から屋外施設が現在も減り続けている。20~22年度の傾向は親会社の用地売却による「コロナ補填閉鎖」が多かったが、23年度は土地の効率活用や跡地利用が主となり、大型商業施設や住宅地に転用しているという。個人系や都心部の中小規模施設は①施設老朽化②相続③周辺が住宅地となり改装困難④後継者問題で閉鎖しているという。隣接のゴルフ場も含め閉鎖した「昭和の森ドライビングレンジ」など企業系や個人系の事例など閉鎖屋外施設の一覧を多数掲載している。
施設分布では関東に全体の41%が集中。最多の東京は465施設でうち78・5%がインドア。平均打席数は東京18打席、大阪52打席でこれら大都市圏が需給関係も最優秀という。一方で北海道・東北等は供給過剰とも指摘、地方部はゴルフ場が付帯した練習場開放もあってゴルフ場と練習場の棲み分けがなくなりつつある状況も現れているとも分析している。開設ラッシュだったインドア(23年度は36%強の約1050施設)だが、23年度中に新設が88施設あったが、閉鎖が21施設あったという。

公益社団法人・全日本ゴルフ練習場(JGRA)が23年10月時点で調査したゴルフ練習場施設数(1打席以上)は3840施設で、22年10月比較で4・2%154施設増。屋外が1・8%42施設減の2322施設、インドア施設は14・8%196施設増の1518施設と報告していた。

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「ゴルフ特信」第7183号より一部抜粋

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